バリ島・ウブドの町はずれにある、王族が経営するホテル『ザ・ロイヤル・ピタマハ』。贅沢なヴィラやプール、エステだけではない、外資系ホテルとは違うバリの伝統を大切にした魅力あふれるリゾートホテルです。そのホテルで働くバリの人々や、ゲストリレーションとして活躍されている日本人女性、恵子・マンデラさんにお話を聞かせてもらいました。
お供え物だけを作るスタッフたち
ホテルの中を散策していると、頭に籠を乗せたスタッフがテクテクと歩いていきます。ルームサービスかしら? と聞いてみると、葉で編んだ籠に花や飴などを盛ったお供え物を手にしています。
バリの女性は精霊たちに「悪いことをしないでね」と、家事の合間に一日中、お供え物を作り捧げる風習があるのですが、なんとこのホテルでは、「お供え物係」を13人も雇っているのだとか。外資系のホテルでは考えられないけれど、それだけバリの伝統を大切にしているホテルなのでしょう。
お供え物の写真を撮る私に「そんなに珍しい? 日本では作らないの?」と笑うお姉さんは、朝から皆で作ったお供えを寺院や石像などさまざまな場所に祈りながら置いていきます。敷地内に置かれた石像はただの置物ではなく、ブタは子宝の象徴、サルは神様のお手伝い、カエルは雨乞いをしてくれるそう。