経済産業省が認定している全国各地にある近代化産業遺産。今回はSNSに写真が数多くアップされているような、いわゆる写真映えする近代化産業遺産を、株式会社ウェイブダッシュが運営する、みんなでつくる地域応援サイト生活ガイド.com(https://www.seikatsu-guide.com/)にて厳選し、その中から生活ガイド.com会員に「フォトジェニック」だなと思ったものを投票してもらいました。さっそく結果をご紹介しましょう。
今回1位に輝いたのは、「北海道における近代農業、食品加工業などの発展の歩みを物語る近代化産業遺産」である、根室市の「根室明治公園サイロ」です。
根室明治公園は、3基の美しいレンガ造りのサイロが並ぶ、北海道で二番目に歴史ある牧場の跡地を利用した公園です。第一サイロは高さ15メートルと国内最大級の大きさを誇ります。広々とした公園の芝生の緑、空の青、サイロのレンガ色がそれぞれ絶妙な色の対比を生み、サイロの可愛らしいフォルムも合わさって、とてもフォトジェニックな風景です。
根室明治公園を選んだ方からは
「北海道ならではの自然と融合したレンガの建物がマッチしている。行ってみたいと思わせる」(50代女性)
「このサイロのデザインの美しさは、まるでヨーロッパのそれである。永久に保存してほしい」(70代男性)
などの声がありました。
今回1位になりました根室市役所の建設水道部都市整備課のご担当者様からもコメントをいただきました。
■1位の受賞コメント
根室市の明治公園は、前進である牧場跡の自然景勝地を生かした公園となっております。
公園内には牧畜場時代に建設された象徴的なサイロが3基芝生広場にあり、公園を利用するみなさまの憩いの場となっており『根室十景』の一つにもなっております。
今回、第16回みんなのランキングにおいて「フォトジェニック」な近代化産業遺産ランキングで根室市明治公園のサイロがエントリーされ、数ある中でご投票いただきありがとうございます。これからも公園の維持管理に努めたいと考えております。
最後に根室市へお越しの際は、是非お立ち寄り頂ければ幸いです。
■根室明治公園のご紹介
明治8年に国が創設し、わが国で二番目の歴史を誇る牧畜場の跡地を利用した公園で、平成13年に登録有形文化財(建造物)に登録されたレンガ造りのサイロが特徴的な公園です。
このサイロは昭和7年に7基、昭和11年に2基が建てられました。昭和7年に建てられた1基は、他の2基より小規模で、出窓を西側に向けた尖頭ドーム形屋根を有し、南側面に矩形開口部を縦一列に3箇所を設け、レンガ壁体を小口と羊羹を交互に見せるフランス積風に積まれております。他の2基は、南側面に高さ1mの開口部を縦1列に4箇所穿ち、北側に出窓を設け、こけし状ファイニアル付き鉄板葺きドーム形屋根を冠する国内最大級規模の煉瓦造サイロを誇り、平成18年には都市公園法施工50周年記念事業「日本の歴史公園100選」に認定されました。
平成18年10月の低気圧被害でカラマツなど161本が倒木しましたが、その場所に平成19年から市民協働で「根室さくらの森づくり植樹事業」を取り組み、桜前線の終着点として『日本一遅咲きの桜』が開花する桜の名所を目指しております。
平成21年にはバーベキュー施設の寄付を受け、多くの市民の憩いの場、レクリエーションの場として利用されています。
ランキング2位・3位になった近代化産業遺産は下記のとおりです。
第2位 奈良県奈良市 「奈良ホテル」
2位は「外貨獲得と近代日本の国際化に貢献した観光産業草創期の歩みを物語る近代化産業遺産」である、奈良市の「奈良ホテル」でした。
奈良の街並みに配慮した和風の建築で、内装は桃山風の意匠の中に重厚感が感じられ、和洋折衷がなされた美しい建物です。開業から国賓や皇族が宿泊する施設として利用され、関西の迎賓館とも呼ばれました。平安時代から続く庭園も奈良ホテルの一部となっており、日本の歴史を感じることができます。
第3位 山形県山形市 「旧済生館本館」
3位になったのは「東北地方の産業振興の基礎を築いた水資源・交通・都市基盤整備の歩みを物語る近代化産業遺産」である、山形県山形市の「旧済生館本館」です。
山形県立病院として建設された「旧済生館本館」は、イギリス海軍病院を参考にしたと言われており、中庭を挟んでぐるりと円形に病室が設置されています。ステンドグラスや螺旋階段などもあり、内部も洋風に誂えられています。現在は山形市の郷土館として使用されています。
4位・5位になった近代化産業遺産は下記のとおりです。
4位 神奈川県横浜市 「根岸森林公園」
5位 静岡県伊豆の国市 「韮山反射炉」
【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020/07/10~2020/08/11
調査対象:生活ガイド.com会員10代~70代の男女223名