よい素材、優秀なデザイナー、熟練の職人を抱えるフレーム工場と、福井県鯖江市にはメガネ作りに携わるエキスパートたちが結集する。今回は、メガネスーパーと本誌が共同開発した「旅メガネ」の製造現場を訪ねた。
↑本誌とメガネスーパー共同開発の「旅メガネ」の試作過程。一枚のアセテート生地から手作業で丁寧に削り出す工程から始まり、熟練した職人により丹念に磨き上げられ、仕上げられるフレ-ムは、大量生産にはない質感を誇る(写真のフレームは試作品で、実際の製品とは違います)。
福井県鯖江市は、国内におけるメガネフレーム生産の90%以上を占め〝メガネの聖地〟として内外に知られている。明治38年(1905)に農閑期の副業として始まったメガネフレーム作りは、今ではわが国が誇る産業のひとつとして発展を遂げている。 今回、メガネスーパーと本誌が共同開発した「旅メガネ」(トラビット)も、鯖江のメガネフレーム製作に携わる、多くのエキスパートたちによって作り上げられた。デザインを担当した細川嘉則さんはこういう。
「この製品ではフレームの素材に、加工の難しいアセテートを使い、また折りたたみという複雑な機構を加えたので、鯖江の職人の技術がどうしても必要でした」
素材は、イタリアのマツケリ社が製造する数あるアセテートシートから「クラシック・ハバナ」という、長い歴史を持つ人気のカラーを選んだ。マツケリ社の材料を扱うのは、鯖江市に本拠を置くキッソオである。
「マツケリ社のアセテートは、ともかく発色が鮮やか。世界のファッションブランドのセルフレームの半数以上が、マツケリの材料を使っています」
と、同社の吉川精一社長。
素材とデザインが決められた「旅メガネ」は、熟練の職人が揃う市内のフレーム工場、クルテスに製造を委託した。 「ある程度まで機械でやれますが、仕上げ磨きや細かな部品の組み立てには、やはり人の手が必要になります」(同社・柳川宏社長)
特に磨きの工程は、職人の経験によるところが大きく、クルテスのような高い技術を持った工場が頼りとなる。
こうして完成した「旅メガネ」である。使った既製品は一部のネジだけ。あとはすべて特注品という贅沢な構成だ。鯖江の職人の技が結集した、サライ世代に向けた使い心地のよいメガネである。旅先だけでなく、日々の暮らしで欠かせない日用品になることだろう。
↑「バレル研磨」の工程。アセテートのメガネフレームは、ひとつひとつ職人の手によって研磨される。作業の中で培われていく職人技は、データには残らないアナログの世界だ。
使った既製品は一部のネジだけ。
オリジナルフレーム製造に職人の手技が活きる
←↑「旅メガネ」の設計図と組み立ての様子。6点を支点にした複雑な折りたたみ構造は部品点数も多く、通常の製品に比べ手間がかかる。組み上げられたフレームは、入念な検品と仕上げ磨きが施されて製品となる。
メガネスーパー
サライ・オリジナル
『旅メガネ』(3万8700円税抜き/フレーム価格)
メガネスーパーと本誌が企画し、メガネの聖地・福井県鯖江市で作られた、サライ25周年記念モデル「旅メガネ」(トラビット)。持ち運びに便利な折りたたみ式メガネである。UVカット付きカラーレンズ、専用ケース、メガネ拭きをセット。遠近両用レンズや調光レンズなども充実している。
【サライ×メガネスーパーの共同開発『旅メガネ』】
問い合わせ先:
0120・209・060
メガネスーパーの特設サイト:
http://www.meganesuper.co.jp/megane-brand/trabit_serai/