取材・文/ふじのあやこ

家族との関係を娘目線で振り返る本連載。幼少期、思春期を経て、親に感じていた気持ちを探ります。(~その1~はコチラ)

今回お話を伺ったのは、関西にある自宅でネイリストとして仕事をしながら、6歳の女の子の育児をしている里香さん(仮名・38歳)。兵庫県出身で、両親との4歳上に姉のいる4人家族。学生の頃に姉と母親の関係が破綻。事なかれ主義の父親も被害妄想のある母親との距離を保ち、母親の執着は里香さん一点に。最初は好きだからという気持ちを持って母親と接していた里香さんですが、高校生になり……。

「私にも反抗期的なものはあったんだと思います。でもそれを親にぶつけることはできなかった。何かを言うと、その何倍にもなって、愚痴の時間が続くというか。どうしてもイライラしてしまう時は、お風呂の時間に母親に聞こえないように叫んだりしてストレスを発散していました」

強くなっていく母親の束縛。もらったアクセサリーはつけないと不機嫌になった

里香さんは高校時代にアルバイトを始めて母親との時間を避け、専門学校に進んだ後もレッスンに時間を割いて、家にいる時間を徐々に減らしていきます。しかし、次にやってきたのは母親のご機嫌とりだったとか。

「その頃にはきっと母親の目から見て、私に嫌われているように映ったのかもしれません。前まではなかったご機嫌とりが始まったんです。内容はひたすら私のためになりそうなものを買ってくること。家には食べられないほど私の好きなお菓子があるようになり、それを少しでも食べないと不機嫌になる。誕生日には、小さい頃はケーキぐらいだったのに、10代にはまったく似合わないような高級な服やアクセサリーをくれるようになりました」

身の回りのものをプレゼントされることでさらに困った状況になってしまったと言います。

「アクセサリーだと、毎日つけないと不機嫌になるんです。私はカジュアルな服装をしていたし、美容系の専門学校に行っていたので、学校で髪や顔を洗ったりすることもあるから、アクセサリーはまったくつけていませんでした。邪魔なんです。なのに母親が不機嫌になるから、つけて家を出て、あらかじめ用意した袋に入れて、家に戻る直前につけて帰るといったことを毎日していました。ある意味、束縛みたいな感じを母親からずっと受けていたんです」

【次ページに続きます】

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