親族をはじめ、友人・知人、仕事関係などの葬儀に参列することは幾度かあっても、人生の中で、自分が喪主を務めることはそう何度もない。それゆえ、葬儀をあげる際、わからないことだらけで不安なのも当然だ。そんな「お葬式」に関する実態調査を、日本最大級の終活サイト「終活ねっと」が、全国の20代以上の男女合計1万人を対象に行なった。身近な方が亡くなった場合、お葬式の手配が必要となるが、みんなはどれくらいの年齢で経験し、どれくらいの費用がかかったのか? 実際にお葬式にかけた費用や葬儀形式などを紹介する。
お葬式手配経験がある方は、40歳以上男女で3人に1人
はじめに「お葬式の手配経験はありますか?」と質問したところ、「手配したことがある」が全体の23.1%、「手配したことがない」が全体の76.9%となった。
また男女別で見ると、男性で「手配したことがある」人が25.8%、女性で「手配したことがある」人が20.4%となり、男性が手配することが多いことが分かった。
なお世代別に見ると、40歳未満の人で「手配したことがある」と回答した人の割合は10%にも満たないが、40歳以上の人で「手配したことがある」と回答した人の割合は32.4%となり、40歳以上の方は3人に1人が手配を経験をしているようだ。年齢とともにお葬式の手配をする機会が増えることを、改めて認識できた結果となった。
お葬式の被手配者は父親が最も多く、母親を含むと約8割
次にお葬式経験者に「直近でどなたのお葬式を手配しましたか?」という質問をしたところ、「父親(義理を含む)」という回答が46.6%で1番多い結果になった。それに次いで「母親(義理を含む)」と回答した方が32.0%となり、約8割の方が「父母」のお葬式の手配を行っているという結果になった。
お葬式にかけたい金額と実際にお葬式にかかる金額には100万円ほどの乖離が発生
お葬式の経験者に、「お葬式にどのくらいの予算をかけたいですか?」と質問した上で、「実際にはどれくらい費用がかかりましたか?」と聞いてみた。
予算について最も多かった回答は「50万円未満」で34.8%、続いて「50万円以上~100万円未満」の34.0%、「100万円以上~150万円未満」の15.4%と、全体として費用を抑えたい傾向があることがうかがえる。
加えて年齢があがるごとに、費用をかけたいと考えていることも分かった。
そして実際にはどれくらいかかりましたか?という質問に対しての回答は「100万円以上~150万円未満」が最も多くて27.0%、続いて「50万円以上~100万円未満」の25.4%、「150万円以上~200万円未満」の15.9%と、想定と実際にかかった金額で100万円ほどの乖離が発生しているようだ。
最も選択されている葬儀形式は一般葬で約5割、費用は100万円から200万円程度で約5割
実際のお葬式で、選択されているお葬式の形式について聞いている。
すると葬儀を執り行った人のうち約5割の人が「一般葬(様々な立場の人を呼ぶ葬儀)」を選択しており、続いて「家族葬(親族や特に親しい人を呼ぶ葬儀)」や「一日葬(お通夜を簡略化または行わない葬儀)」、「直葬(火葬のみ行う葬儀)」を選択した人が多いという結果になった。
次に葬儀を執り行うためにかかった費用について、形式別に調べてみた。
「一般葬」では「100万円以上~150万円未満」と回答した人が29.1%であり、続いて「150万円以上~200万円未満」と回答した人が24.0%となり、全体として中価格帯が多い結果となった。
次に「家族葬」では「50万円以上~100万円未満」と回答した人が40.9%と圧倒的に多く、続いて「100万円以上~150万円未満」と回答した人が29.8%となり、こちらも低から中価格帯が多い結果となった。
「一日葬」では「50万円未満」が57.6%、「50万円以上~100万円未満」が30.3%という結果になり、あわせて9割近くの方が「100万円未満」で葬儀を執り行っていることがわかった。
また「直葬」でも「50万円未満」と回答した人が90.9%と、こちらも低価格帯が9割を占める結果となった。
今回の調査から、お葬式の費用には形式によってばらつきが多いことがわかる。いざ自分がお葬式を手配する側になった時、慌てないためにも、お葬式の形式や費用の目安は知っておいた方がよさそうだ。
文/鳥居優美