2018年9月に国税庁が公表した「平成29年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体の平均年収は432.2万円(男性531.5万円、女性287.0万円)だった。さらに、ハイクラス人材を象徴する年収1000万円以上の人はわずか6%程度しかいなかった。
そんな1000万円プレイヤーの新入社員時の初任給や意識を探るべく、総合人材サービス会社のパーソルキャリアが、年収1000万円~1100万円未満のビジネスパーソン(以下、1,000万円プレイヤー)と、日本の平均年収層である年収400万円~500万円未満のビジネスパーソン(以下、平均年収層)を対象に、比較調査を実施した。その結果、1000万円プレイヤーと平均年収層では、初任給の使い方などに明らかな違いがあったという。気になる調査結果を詳しくみてみよう。
キャリアスタート時の初任給には大差ナシ!
初任給の平均額は、1000万円プレイヤー20万2393円、平均年収層19万5936円
1000万円プレイヤーと平均年収層に新入社員時の初任給の金額をたずねたところ、その平均金額は、1000万円プレイヤーは20万2393円、平均年収層は19万5936円だった。両者を比較すると、その差はわずか6457円。現在の年収に開きがあっても、キャリアスタート時の初任給には、さほど差はないようだ。
初任給の使い道にはすでに傾向の違いアリ!
1000万円プレイヤーは“周囲の人”に、平均年収層は“自分のため”に初任給を使っていた!?
初任給の使い道で多かった回答は、「貯金」、「親へのプレゼント」、「交際・飲食費」だった。1000万円プレイヤーと平均年収層で特にポイント差が大きかった回答に注目すると、1000万円プレイヤーでは「親へのプレゼント」(49.7%)、「交際・飲食費」(30.8%)など、親や周囲の人との関わりあいのために初任給を使ったという人が多く、一方、平均年収層では「自分へのご褒美」(23.1%)に初任給を使ったという人が多かった。
初任給で購入した親へのプレゼント
1000万円プレイヤーは長く使えるもの。平均年収層はすぐに消費されるもの!?
さらに、初任給を「親へのプレゼント」に使ったと答えた人に、実際にはどんなものを贈ったのか尋ねている。その結果、1000万円プレイヤーが平均年収層のポイントを上回った回答は、時計、ネクタイなどの「ファッション雑貨」(17.1%)、「旅行」(5.8%)、「アクセサリー」(3.9%)で、逆に平均年収層が1000万円プレイヤーのポイントを上回ったのは、「食品」(41.1%)、「お酒」(16.9%)、「洋服・靴」(10.1%)、「家電」(7.2%)、「花束」(2.6%)だった。特にポイントの差が顕著だったのは、消えものの代表格である「食品」で、1000万円プレイヤー(28.0%)と平均年収層とでは、13.1ポイントの開きがみられた。「旅行」など一部の回答を除けば、将来1000万円プレイヤーになる人の方が、より長く使えるものを初任給での「親へのプレゼント」として選ぶ傾向にあったことが伺える。
1000万円プレイヤーになるために必要なのは、「努力」と「運」!?
最後に、1000万円プレイヤーを対象に、新入社員としての入社時の意識について聞いている。その結果、「新入社員当初から1000万円プレイヤーを目指していたか」の問いに対しては、意外にも「はい」と答えた人は半数以下だった。
また、自身が年収1000万円以上になれた要因についてたずねたところ、半数以上の人が、「自身の努力」(56.4%)、「運」(52.9%)だと回答した。
新年度を迎えて、もうすぐ1か月。そろそろ初給料を手にする新入社員もいるだろう。果たして何に使うのか。気になるところだ。
文/鳥居優美