ご飯をひと箸は口に運ぶ。炊きたての米の香りとともに、柔らかな甘さが口中に広がる。心地よい米粒の弾力を舌で感じながら、ひと噛み、ふた噛みすると、さらなる旨みがはじけるように飛び出してくる。
そんな、「旨い米」を家庭で上手に保存するコツをご紹介しよう。
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米は生鮮食品。常温保存には向かない
野菜や卵と同じように、米は生鮮食品。常温保存には向かない。常温で保管すると、鮮度落ちが早まり、米の味が悪くなるのだ。
家庭での米の保管には、低温で貯蔵できる冷蔵庫が適している。しかし、極小の空気穴が開いている米袋のままでは、空気に触れて酸化もするし、冷蔵庫内の匂いが移りもする。
それを防ぐため、ペットボトルやチャック付きのポリ袋にできるだけ密封して入れ、冷蔵庫の野菜室に入れる。それに炊飯1回分ずつの小分けにしておけば面倒がない。
理想の保存法は、米専用の小型保冷庫(保冷米びつ)に玄米を保管し、炊く前に家庭用精米器で白米にする方法だ。ここまで徹底すれば、常に美味しいご飯を食べられる。
取材・文/塙 ちと
写真/宮地 工