別居の子どもと会う頻度はどんどん増えていった
夫との2人と1匹の生活はとても快適だった。夫は離れて暮らしている息子と隔週で会っていたが、それも自分の時間を作れたとプラス要素になったという。
「付き合っているときからこの人とはずっと一緒でも居心地がいいな~と思っていたから結婚したので、2人での生活は快適でした。初めて異性と同居したので1人になれないストレスを感じると思っていたのですが、夫は隔週で息子に会って一緒にサッカーをしているようで休みの日に独身時代のように過ごすこともできたんですよね。友人に話すとそんな人嫌だねって同情されたりもしたのですが、私には夫はピッタリでした」
夫の離婚理由は、性格の不一致。どちらが浮気をしたのではなく、ケンカが増えていき最終的には家庭内別居の状態だったという。音を上げたのは元妻のほうだった。
「離婚前は家庭内別居状態で会話もなく、同じ家にいながらもメールのやりとりだったと聞いています。それだけ険悪だったとしても、離婚後は子どもの親としての付き合いの中で関係は修復していきそうですが、2人はそうじゃないみたいです。元奥さんは夫が待っている場所まで子どもを連れて来てくれるものの、少し離れた場所に子どもと別れ、そこから夫と会うまで見守っているようです。離婚後もメールのみだそうです」
そんな元妻も里香さん夫婦が結婚した3年後に再婚。授かり婚だったようで、そこから夫の子どもは不安定になっていったという。
「当時のことは詳しくは聞いていないのですが、夫の子どもは家に居たくないみたいで、頻繁に我が家に泊まりに来るようになっていったんです。そのときには私は猫と一緒に実家に帰省したり、夫が子どもと一緒にホテルに泊まることもありました。別にその子のことを嫌いというわけではなく、元奥さんと新しい旦那さんとの関係で不安になっているのであれば、私に対しても同じような感情を抱くと思って、夫と2人にさせたほうがいいだろうなと思っていたんです」
元妻の再婚から約2年後、夫は「子どもを引き取りたい」と言ってきた。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。
