【家族になる】「いつかの離婚のために」お互いが無関心だった夫婦に与えられた、新たな家族の役割とは～その１～

取材・文／ふじのあやこ

日本では婚姻届を役所に提出し、受理されると夫婦と認められる。夫婦となり、パートナーのことを家族だと受け入れられるものの、パートナーの両親やきょうだい、連れ子などを含め、「みんなと家族になった」とすんなり受け入れられる人もいれば、違和感を持つ人もいるという。また、ずっと家族として生活していたものの、分かり合えない関係のまま離れてしまった人もいる。家族について戸惑った経験がある人たちに、家族だと改めて感じられたきっかけを聞いた。

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パーソルキャリア株式会社が運営する調査機関「Job総研」は、社会人男女を対象に「2025年 ハラスメント実態調査 〜被害・職場対策編〜」（実施日：2025年４月９日〜４月14日、有効回答数：20~50代の男女543人、インターネット調査）を実施。調査にて、職場でハラスメントを受けた経験を聞くと、「ある」と回答した人が55.1%と過半数を占めた。被害経験ありと回答した人に受けたハラスメントの内容を聞くと、「個人を否定するような言動」が55.9%で最多となり、次いで「能力を否定するような言動」が51.5%、「精神的な攻撃や嫌がらせ」が41.5%となった。また、職場ハラスメントへの対応を聞くと、「誰にも相談していない」が27.4%で最多となり、次いで「社内の信頼できる人に相談した」が23.7%、「家族や配偶者・親族に相談した」が22.1%という結果になっていた。

今回お話を伺ったひかりさん（仮名・43歳）は、夫がパワハラを受けたことがきっかけとなり、家族との関係が変化した過去を持つ。

夫は華やかな職業に就き、魅力的に映った

ひかりさんが夫と結婚したのは33歳のとき。結婚した理由は子どもができたからだった。

「結婚するまで６年くらい付き合っていました。付き合って２か月ほどで同棲することになり、子どもができていなかったら結婚しなかったと思います。あのまま家政婦的な扱いだけが続いていた気がします」

２人の出会いは合コン。知り合いが主催した出会い目的の飲み会で意気投合し、付き合おうと言われたのは３回目のデートのときだったという。

「飲み会でたまたま隣の席になって、連絡先を交換して、次の週に２人で会う約束をして、３回目のデートで付き合ってほしいと言われました。もうトントン拍子で。夫のことは少しいいなと思っているぐらいだったんですけど、私も当時27歳で結婚願望があったのでちゃんと好きになる前でしたがOKしました。夫は容姿端麗で、クリエイティブな仕事をしているところが魅力的だったので」

夫は総合デザイン事務所でデザイナーをしていた。大手出版社の発行物のデザインを担当しており、ひかりさんにとっては夫から聞く仕事の話すべてが魅力的で、「結婚相手として申し分ないと思った」と振り返る。

「私は短大を卒業してから建設会社に就職して事務をしていました。夫は有名雑誌のデザインも担当していて、私からするとすごくキラキラした職業に見えたんです。しかも夫のほうが１つ年下だったのに、夫のほうからのアプローチで付き合うことになった。お互い20代後半だったので結婚を意識して付き合うなら、夫は申し分ないと思いました」

【家事も育児も一切参加しなかった。次ページに続きます】