親には会いたいときにいつでも会えると優先しなかった
親からは、失業中は1人暮らしの家を引き払って実家に戻って来いと言われたが、失業保険がもらえたことで実家に戻ることなく、3か月後には再就職で東京に行くことに。そこから大きな出来事がない限り、帰省は年に1~2回ほどになっていたという。
「上京したことで1回の帰省にも高額がかかってくるようになりました。お金が高いから大型連休に帰らないと伝えたときには親からお金を出すと言われたことがあったんですが、こちらも社会人でプライドがあったので、それに甘えたくなかった。それにお金の理由だけでなく、大型連休には友だちや彼氏との旅行を優先することもありました。親はいつでも会おうと思えば会える相手だと思っていました」
真由美さんは30歳になる年に結婚。相手は東京で出会った男性で、夫の実家と真由美さんの実家は東京を挟んで真逆の方位にあった。結婚してからは大型連休の帰省は義実家がメインとなり、実家に帰省するタイミングは年に一度あるかないかになった。
「私の家よりも夫の家のほうが田舎で、大型連休には親族一同が集まったりするからと、夫から一緒に帰省してほしいとお願いされたんです。結婚式もお金の援助をするからと義実家がある地域で行なうことになりました。私の親は『一緒に観光できるわ』と受け入れてくれましたね。夫と私の職場の人や友人は都内でレストランを貸し切って二次会のようなパーティーを行ないました」
実家を離れてから一番長く帰省したのは出産のときだった。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。