見知らぬ男女は、社会的立場が高い人物だった
お嫁さんはホントに仕事だったらしく、18時30分に会社から出てきます。最寄りの駅で、パーカーをかぶりサングラスをかけた40代半ばの男性と会い、ビルの中にあるカフェに入っていきます。2人は隣り合わせに座り、いちゃいちゃしている。
このカフェは20時以降もやっているので、時間が経つうちに店内は満席状態に。私たちも危険を感じて、外で待機することにしました。
21時30分にほろ酔いで出てくると、2人はタクシーに乗り新宿方面へ。予想していた通り、依頼者・茂子さんの息子さんが入って行った飲食店に入っていきます。
23時に店から出てきたときは、40代半ばの男性は妻と思われる別の女性と一緒にいました。それから息子夫婦と4人で歓談していたので、私もペアの探偵も、友人夫妻と食事をしていたのかな……?などと思っていましたが、それは全く違いました。
4人はある古いビジネスホテルに一緒に入っていったのです。てっきり、遅くなったから各夫婦で泊まるのかと思っていましたが、それぞれ別の相手と同じ部屋に入っていきました。
朝、先に出てきたのは、昨日の40代の男女2人で、様子を察するにこちらも夫婦のようです。なぜかハイヤーが迎えに来ており、ペアの探偵が慌ててバイクで追跡。すると、港区内のかなりの高級なマンションに入っていきました。画像を解析すると、男性が何者かがわかり、かなり社会的立場が高いことがわかったのです。男性の正体については、茂子さんには言いませんでしたが。
そして、それから30分後、かなり仲睦まじい様子で、息子さん夫婦が出てきました。
以上を依頼者・茂子さんに報告しました。
茂子さんは、「気分が悪くなった」とおっしゃって、青ざめた顔で座っていました。
「まさか、こんなことになるとは思ってもいませんでした。孫娘たちが不憫でなりませんし、将来が心配です。このようなことはあるのでしょうか?」
私は、似たようなケースを多々調査してきた経験がありますので、「個人の嗜好は、人それぞれです。一般の方から“特殊”とみられる方ほど、周囲に配慮して過ごしているようです。お嬢様方には、絶対に秘密にされるでしょう」とお答えしました。
すると、しばらく事務所の椅子で目を閉じ、机に伏せるようにして10分ほど動けなくなっておられました。あまりのショックを受けると、人は動けなくなるのです。
茂子さんは、「“秘め事”とはよく言ったもので、これは夫婦間の秘密であり、彼らの結びつきの強さなんでしょうね。辞めさせるわけにもいかないでしょうから、黙っていることにします」と紙のように真っ白な顔でおっしゃっていました。
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/