過去の恨みが嫌がらせの発端だった

自宅に戻り、幸子さんが夫に証拠の写真を見せると、しばらく夫は女性が誰だか分からなかった様子。

「誰だろう」「なんでだろう」と話し合って、ベッドに入った直前に夫は「幸子! 本当に申し訳ない」と謝ったのだとか。

それは、この女性は夫が15年前に浮気した当時の部下の女性だったとのこと。

「もう、ホントに腹が立つったらありゃしない! 主人は50歳のときに、人生最大のモテ期が来て、いろんな女性とラブアフェアをしていたんですって。私が子どもたちの受験やら就職活動の相談やらでがんばっていたときに、主人は別のことをがんばっていたんですから!」

夫は、50歳のときに多くの女性と関係を持っていたという。その多くが大学の同級生やバーやクラブの関係者だった。

「主人に洗いざらい白状させましたよ。この女性とは2回ほど関係を持ち、“奥さんと離婚して私と結婚して”と言いだしたので別れたんですって。その後もこの女性はしつこくて、“家に行く”と言ったり、書類を隠したりしたので、主人は別の部署に異動させた。異動先の人と結婚してホッとしていたのに、“今更なぜ?”と驚いていました」

その後、幸子さんと夫は、弁護士に相談し、この女性に勧告してもらったそう。警察に通報する前に、行動を改めてもらい、反省させる意味も込めて、庭の清掃費と慰謝料の20万円を請求。

「彼女は主人の会社の人とはDVで離婚して、今のご主人と再婚したんですって。そのときにウチの近くに引っ越してきたのね。見覚えがある駅名を見て、主人のことを思い出して見に来たんですって。そしたら私がのほほんと庭仕事しているでしょ。それが憎たらしくてゴミを投げ込んだんですって」

女性の結婚はうまくいっていなかった。新しい夫も暴力を振るい、毎日悩んでいたとか。

「だからといって私たちに危害を加えていいことにはならない。弁護士さんが強く注意をしたら“ごめんなさい”と謝っていたとか。それにしても怖いですよね。この年になってこんな目に遭うと思わなかった」

過去に「しでかしたこと」が現在を苦しめる。本人は忘れていても、やられた方は忘れない。

最近、私たちのところには、「過去にパワハラされた上司の居場所を突き止めてほしい」とか「商売を潰してきた相手社長の今が知りたい」などの調査依頼が相次いでいます。

コロナにより、死を意識することが増えていると考えられます。だれもが「悔いなく死にたい」と願っていますが、その一つが「恨みを浄化させたい」という願望に基づく行動に現れている気がしてならないのです。

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/

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