
子どもの結婚式が近づくと、親としてどう関わればいいのか不安に感じる方も多いのではないでしょうか? 近年の結婚式は、形式にとらわれない自由な演出が増えつつありますが、そこには「ゲストへの感謝」や「家族の絆」を大切にする想いが込められています。
伝統を尊重しながらも、現代的な工夫を取り入れた演出のかたちについて、親の視点から解説します。
目次
最近の結婚式で重視される“演出”の考え方とは
伝統的な儀礼と現代演出のバランス
今どきの人気演出事例を知っておこう
“ふたりの結婚式”を“家族の記念日”に
最後に
最近の結婚式で重視される“演出”の考え方とは
演出と聞くと、華やかさや派手さを想像する方もいらっしゃるでしょう。しかし、最近の傾向には少し変化が見られます。ここでは、そうした“今どきの演出”に込められた想いや背景を、親の立場からも理解しやすい形でご紹介します。
感謝や人とのつながりを大切にした演出が増えている
近年の結婚式では、豪華さよりも「誰にどう気持ちを伝えるか」を考えた演出が選ばれる傾向が見受けられます。例えば、ゲスト一人ひとりにあてた手紙や、小さな頃の思い出写真を使った紹介映像などがその一例です。形式にとらわれない分、それぞれの気持ちがゲストに伝わりやすいとされています。
“その人らしさ”を自然に表す工夫が注目されています
近年では、「ふたりらしさ」を反映した演出を重視する新郎新婦が増えています。趣味や思い出のエピソードを取り入れた演出や、写真を飾るコーナーなど、小さな工夫が式の雰囲気を作ります。ご両親としては「どんな意図があるのか」を丁寧に聞いてみると、思いがけず微笑ましい背景に触れることもあるかもしれません。

伝統的な儀礼と現代演出のバランス
結婚式の形が多様になる中で、伝統を大切にしたいという想いと、時代に合った工夫を取り入れたいという意向が交差する場面も見られます。親の立場として、どのように向き合えばいいのかを考えてみましょう。
伝統儀礼の背景を、静かに伝える場面もある
結納や三々九度など、日本には古くからの儀礼がいくつか受け継がれています。しかし、中にはその意味が若い世代に十分に伝わっていないケースもあります。式の準備の中でふとそうした話題になったときには、「こういう背景があるらしいよ」と、軽く伝えてみるのもひとつの方法です。無理に押しつけない姿勢が、共感を得るためのポイントとなります。
考え方の違いがあったときは、まず一度は受け止める姿勢を
演出の内容や進め方について、親として気になる点が出てくることもあるかもしれません。そうしたときには、「どういう考えで選んだのか」を聞いた上で、親の考えを穏やかに伝えると両者の理解が深まります。
披露宴中の演出は、時代の変化を反映したものが多く、ご両親にとって馴染みのないものもあるかもしれません。特別な言葉がなくても、静かに見守ることが、子どもにとっては何よりの支えになることもあります。
今どきの人気演出事例を知っておこう
披露宴の演出の背景に込められた想いや目的を知っておくと、親としての理解も深まります。ここでは、披露宴での人気演出を紹介します。
キャンドルリレーなど“共有する演出”が取り入れられることも
新郎新婦が火を灯し、それを列席者へとリレーする「キャンドルリレー」は、会場全体の一体感を演出するものとして人気がある演出です。厳かな雰囲気の中、キャンドルの灯りが会場を温かい雰囲気で包んでくれます。
親世代にとってはやや珍しい演出かもしれませんが、「皆で式を作り上げる」気持ちを込めて取り入れる方が多く見受けられます。

サンドセレモニーなど“形に残す”工夫にも注目
複数の色の砂をひとつの瓶に入れて模様を作る「サンドセレモニー」は、家族のつながりを可視化する演出として人気があります。最近では、両家の親がそれぞれの色の砂を注ぐ場面も見られます。見た目にも華やかで、式後も記念として飾れる点が好まれている理由です。
新郎新婦の紹介映像がより丁寧につくられる傾向も
「プロフィールムービー」や「エンドロール映像」は、今では多くの式で見かけるようになっていますが、最近では、家族との思い出や感謝の言葉を丁寧に盛り込んだ内容に工夫されています。準備段階で写真の相談を受けた際には、当日の仕上がりを楽しみにしながら協力することで、心の準備ができるでしょう。
“ふたりの結婚式”を“家族の記念日”に
主役は新郎新婦である一方で、親にとってもかけがえのない節目となるのが結婚式です。ここでは、式を通じて「家族の思い出」として残るような関わり方について、少し視点を変えて考えてみます。

静かに寄り添うことで、式の雰囲気が和らぐこともある
結婚式では、新郎新婦の周囲に親族が穏やかに佇んでいるだけでも、会場の雰囲気が安心感に包まれる場面があります。特に、親の自然な笑顔やあたたかな視線は、言葉以上にゲストの印象に残るものです。出しゃばらず、控えめに関わることが、結果として「いい式だった」という声につながることもあります。
感謝の演出を“素直に受け取る”ことも、親としての関わり方のひとつ
最近では、手紙やムービーを通じて、新郎新婦が両親への感謝を伝える演出があります。照れくささや戸惑いを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、そうした気持ちを心の中で静かに受け止めることも大切です。拍手や微笑みなど、小さな反応でも相手に伝わるものがあります。
最後に
結婚式の演出には時代ごとの変化がありますが、込められた「想い」は今も変わりません。親として心を配りながら、子どもの門出をやさしく見守る姿勢が、何よりの支えになるでしょう。
監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/
構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
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