結婚式の演出は「場を盛り上げるために欠かせないもの」とされていますが、最近の結婚式の演出では、親世代の結婚式にはなかったような、ゲスト参加型の演出が増えている印象です。

ゲストが満足できた結婚式と感じた理由の一つに、「新郎新婦と交流できたかどうか」は大切なキーワードかもしれません。料理や引き出物などのおもてなしは大切ですが、一方的に新郎新婦を眺めているだけの結婚式では、ゲストにとっては少々物足りなく感じることもあるでしょう。

結婚式の主役は新郎新婦ではありますが、「主役のお披露目会」だけでなく「ゲストに感謝を伝える」ことに重きを置く方が増えています。このような考え方から、ゲスト参加型の演出を結婚式に取り入れるのは、自然なことなのかもしれません。

本記事では、最近の結婚式で行なわれる演出をご紹介します。

目次
結婚式の演出とは
挙式での演出
披露宴での演出
親がサプライズで余興をすることも
最後に

結婚式の演出とは

最近の結婚式は、少人数でシンプルなスタイルが増加傾向にあります。とはいえ、メリハリのある式や披露宴にするためにも、ある程度の演出は取り入れた方が良いでしょう。最近の結婚式の演出は、派手さより「ゲストが一緒になって楽しめるかどうか」を重視する方が多い印象です。

結婚式の演出とは、大きく分けると2種類存在します。

1:挙式での演出
2:披露宴での演出

これらの演出を考える際のポイントは、目的を選ぶことです。例えば、「感謝の気持ちを伝えたいもの」なのか、「自分たちのことを知って欲しいもの」、「ゲストが楽しむためのもの」のように、演出を通して、何をゲストに伝えたいのかが重要になります。

結婚式の演出は、基本的には新郎新婦とウエディングプランナーが決めていくもので、親が企画の時点で関わることはほとんどありません。しかし、依頼があれば、親が演出に登場する場面もあるでしょう。

挙式での演出

「挙式は、式場の決められた流れに従うものでは?」とお考えの方が多いかもしれません。確かに、結婚を神に誓う「神前式」では決められた流れがあります。しかし、最近人気の高い「人前式」であれば、ゲストに結婚を誓うものなので、比較的自由に演出を取り入れることが可能です。

ここでは、挙式におすすめの演出をご紹介します。

リングリレー

リングリレーとは、ゲストが協力して、新郎新婦の元まで指輪を運ぶセレモニーのことです。指輪交換前に、新郎側・新婦側のゲストが、それぞれ一本の長いリボンに通された指輪をリレーします。

皆でワイワイとリレーしている内に、緊張した雰囲気の式場が和やかになるでしょう。ただし、ゲストの人数が多い場合、全員にリレーしてもらうのは難しい場合があります。そのようなケースでは、あらかじめ、リレーするゲストを決めておくとスムーズです。

ジャケットセレモニー

新郎が式場に入場した後、扉の前で、母親か父親が新郎にジャケットを着せるセレモニーです。こちらは、ベールダウンセレモニーや紅差しの儀と同様、「最後の身支度」の意味があります。新婦が主役になりがちな挙式で、新郎とその両親が主役になれる珍しい演出です。

ダーズンローズセレモニー

ダーズンローズは、12本のバラを意味する言葉です。そのバラを使った誓いの言葉のセレモニーが「ダーズンローズセレモニー」と言われます。

指定されたゲストは、バラと共に誓いの言葉を新郎に投げかけ、新郎がバラを受け取ります。それらをブーケにまとめて新婦に渡し、結婚が成立する儀式です。全員ではないですが、ゲストが式に関わることで、一体感が生まれます。関わったゲストにとっても、思い出に残る演出です。

親が立会人の一人として、指定されることもあります。誓いの言葉では、子どもへの想いや、新郎新婦へのはなむけの言葉を述べましょう。

披露宴での演出

披露宴では、演出の盛り込み方に配慮する必要があります。演出を省略しすぎると、メリハリがなくなり、盛り込み過ぎると、ゲストが一息つく暇がなくなってしまうかもしれません。

披露宴の演出は、中だるみしないためにも、随所随所に入れていくことをおすすめします。ここでは、ゲストと一緒に楽しめる披露宴の演出をご紹介します。

サンクスバイト

新郎新婦がウエディングケーキを互いに食べさせ合う「ファーストバイト」は、披露宴の演出の定番です。最近は、お互いの代わりに、お世話になった知人や親にケーキを食べさせる「サンクスバイト」を取り入れる方が多い印象です。

サンクスバイトは、ケーキを食べさせ合う新郎新婦を見ているだけでなく、参加型なのでゲストも楽しめます。何より、感謝の気持ちを直接伝えられるのがサンクスバイトの魅力です。

鏡開き

両家の親と新郎新婦が、お酒の入った樽を掛け声とともに木槌で叩いて割る演出です。和婚の際、ファーストバイトの代わりとして行なわれることが多いですが、ドレスで行なっても問題ありません。

家族でなく、友人と一緒に酒樽を割ることもできます。ゲスト全員で声を掛けながら行なうので、会場に一体感が生まれるでしょう。

ムービー

ほとんどの披露宴で上映されるといっても過言ではないくらい、ムービーは取り入れる方が多い演出です。一口にムービーと言っても、

・入場前のオープニングムービー
・新郎新婦のプロフィールムービー
・披露宴の最後に流れるエンディングロール

のように様々な種類があります。

ムービーは、新郎新婦が自分たちで作るか、業者に依頼するのかどちらかです。ゲストとの写真をムービーに登場させたりなど、一方的にならない配慮をすることで、見ている方も退屈せずに楽しめます。

デザートビュッフェ

披露宴の休憩の意味を込めて、食後に「デザートビュッフェ」を取り入れるのもおすすめです。会場にガーデンやウッドデッキがあれば、外で行なうと絵になります。その時間は、新郎新婦とゲストが自由に歩き回れるので、デザートと共に会話を楽しむことも可能です。

お茶漬けやラーメンをメニューに入れるなど工夫すると、甘いものが苦手な方でも満足できます。

生演奏

少ない演出でゆったりした披露宴にしたいなら、生演奏がおすすめです。楽器演奏が得意なゲストに依頼するのも一つですが、何かと負担をかけてしまう可能性があります。気兼ねなく、ゲスト全員と食事や歓談を楽しみたいなら、プロに依頼するのが良いでしょう。

親がサプライズで余興をすることも

楽器演奏が得意な親であれば、新郎新婦から余興を依頼されることもあります。中にはそれとは別に、両家の親が新郎新婦に内緒で演奏を企画し、当日披露された例もありました。事前に両家で集まって練習してくれていたことに、新郎新婦は驚き、きっと喜んでくれるでしょう。

親がゲストの前で何かを披露するのは、恥ずかしいと感じる方が多いかもしれません。しかし、両家で集まっての練習期間も含めて、きっといい思い出になるでしょう。新郎新婦だけでなく、見ているゲストにとっても「家族の絆」を感じて、温かい気持ちになりそうです。

もし、子どもに何かしてあげたい気持ちが両家で一致すれば、「親からのサプライズ余興」を検討されてみてはいかがでしょうか? その際は、ウエディングプランナーに相談してみてください。

最後に

親は、結婚式の演出を事前に把握する必要はありません。子どもからアドバイスをもとめられた際は、「新郎新婦のひとりよがりになっていないか」「どのゲストでも楽しめる内容か」を確認しましょう。

監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/

構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB

 

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