母親はお酒を止めない父親を見限る
アルコールを毎日のように摂取するようになった父親は、体調不良を感じて病院へ行き、そこでアルコール性肝疾患と診断される。さらにはアルコール依存症を疑われて精神科の受診を勧められるが、依存だと認めたくなかった父親は自己判断によって断ってしまう。病院にかかっているのにお酒を止めない。そのことで母親の怒りが頂点に立ち、両親は離婚することになった。
「父親は病院に行くほど体調が悪いのに、指導を受けてもお酒を止めようとしませんでした。最初は心配していた母親ですが、あまりに言うことを聞かない父に怒るようになり、それに対して父親も言い返していました。父親は普段は寡黙で温厚な人なのに、お酒のせいなのか、一旦怒り出すと手がつけられないほどになっていたんです。母親に対して、『うるさい』、『黙れ』と繰り返し言うようになって、母親は家を出ていき、離婚となりました」
母親は親族がいる茨城県に戻り、大阪を離れたくなかった美樹さんは父親と2人で暮らすことに。飲食店で働いていた美樹さんは激務が続き、家には寝に帰るだけの生活だった。父親のことを気にする余裕はなく、さらには仕事のストレスで冷蔵庫に常にストックされていたアルコールに手をつけるようになる。
【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。