恋人から夫婦に変わった“だけ”

彩子さんは大学までは大阪で過ごし、実家がなくなったタイミングと就職が重なり、上京。東京での職場で夫と出会い、結婚に至った。交際期間は9年。交際期間が長くなった理由は、お互いそこまで結婚願望が強くなかったからだという。

「出会ったのは22歳で、付き合ったのは24歳。夫は2歳上で仲良くしてくれている先輩という存在でした。一緒にいるのが楽しくて、落ち着いて、一緒にいる時間が増えていった延長で付き合うようになったという感じです。夫が先に転職して、その2年後に私が転職したのですが、私が転職するタイミングで同棲をスタートさせて、そのままズルズルと付き合う期間だけが長くなっていきました。

結婚は、夫から突然プロポーズされて断る理由もなかったから。夫は『夫婦になってもこのままの関係でうまくやれると思ったから』というようなふわふわした理由を伝えてきました」

結婚を決めるときに2人で話し合ったのが、子どもがいるかどうか。彩子さんも夫も子どもがいらない理由を素直に話し合い、子どもを作らないという結論に至った。

「私は両親のことを話し、今の同棲中のような自由なまま、夫婦になりたいと伝えました。夫も周囲に子育てでの経済的負担や時間拘束を見て、子どもを持つことに対してマイナスのイメージを持っていたようで、意見は割れることなく合致しました。

このとき、夫婦としてもやっていけると安心感が先行して深く考えなかったのですが、もっとちゃんと子なしを選択するということを話し合うべきでした。今は後悔しています」

年齢とともに価値観が変わるのは仕方ないこと? 選び直しの期限が迫ったときに夫がした驚きの行動とは。【~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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