里帰り出産という名目で娘が実家に居座るようになる
長男は建築関係の仕事に就き、そこで知り合った12歳上の女性と結婚するも、2年で離婚。その後しばらくは実家に居座ったものの、30歳のときに同い年の女性と再婚した。
そして、長女は26歳のときに5歳上の男性と結婚。2人とも同時期に結婚、そして授かり婚だった。
「2人とも20歳を超えた辺りから落ち着いてきて、真面目に2人とも働いていました。長男は出戻ってからずっと実家にいて、長女はずっとその男性と同棲していたから長女よりも長男のほうが心配でしたね。
同時期に結婚してくれたときにはスッと肩が軽くなる感じがしました。2人とも中卒で一時はどうなるかと思っていたんですが、無事子育てが終了できたと感慨深かったですね」
しかし、ある意味、子育ては終了していなかった。長女が妊娠3か月頃からずっと実家に居座るようになり、長女の夫の世話まで恵さんが行うことも多かったという。
「頼ってもらえるのが、最初の頃は嬉しかったんですよ。長女はそこまで実家に寄り付かなかったし、長男よりも甘え下手だったから。でも、徐々に長女は自分の家に帰らなくなり、身の周りの物を実家に持って来るようになりました。そこからたまに長女の夫が家に来るようにもなった。長女の夫が来るとどうしても他人行儀というか、構えてしまってよりお世話をしてしまっていました。晩御飯に気合をいれたり、部屋の水回りなどを念入りに掃除したり。
そんな生活は、娘が出産して半年ほど経っても終わりませんでした」
さらに、馴れ馴れしくてどうしても好きになれない長男の嫁が毎日のように子どもを連れてやって来る。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。