義母と義姉のバトルにより、次男である夫に同居の矛先が
夫の実家は同じ近畿地方にあるものの、車で2時間ちょっとかかるところ。付き合っている期間はお互いに車を持っていなかったことから電車を使っていたが、在来線や特急列車などを乗り継いで3時間ほどかかっていた。交通の便の悪さもあり、結婚までに会ったのは一度だけだった。
義父は夫が小さい頃に亡くなっており、義母は夫の兄家族と同居していた。
「夫の兄は夫の7歳上で、義兄夫婦にはすでに子どももいて、義母と同居していました。その頃の義母は義兄夫婦の子どもである孫に夢中で、次男の彼女(明日香さん)や結婚にそこまで関心がないようでしたね。
私のほうも、すでに義兄が同居してくれているし、遠方でそこまで義母と絡むこともないだろうなって、世に言う嫁姑問題をまったく気にしなくていいことに安心していました」
その予想通り、結婚式以降の交流はほとんどなし。明日香さんが妊娠して、出産した後も、夫婦の新居が明日香さんの実家から近いこともあり、お世話しに来てくれていたのは実の母親だけだったという。
そんな希薄な関係から義母と同居することになるのだが、そのきっかけは、義兄夫婦と義母の関係の悪化だった。
「義兄と義母というよりも、義母と義兄の妻の関係が悪化したようです。その2人の仲に加えて、義兄が妻側についたことで『この家から出たい』と義母は夫に泣きついてきたんです。もちろん最初は同居ではなく、一人で暮らす場所を構える、ということになりました。義両親が暮らしていた実家は義兄家族と同居が決まったときに処分してしまっていたので。
その義母の一人暮らしの家が義兄家族の近くではなく、私たち家族の近くになったときに、すでに将来の同居が義母の中であったんでしょうね」
知り合いもいない大阪の地での暮らしに義母は寂しさを覚え、明日香さん家族に執着していくようになる。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。