「長年お会いしていないあの方はどうされているだろうか?」と、ふと思い出した時、つい、「また今度いつか会える機会があるだろう」などと思い過ごしがちです。特に遠方にある友や知人とは疎遠になりがち。そんな時の訃報には、心を込めたメッセージを弔電で送りましょう。
この記事では「弔電の送り方」について、京都・滋賀で85年の歴史を持ち年間約6,000件の葬儀を施行する、葬祭専門企業・公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)がご紹介いたします。
もしもの時、その日の時に、この記事をお役立てください。
目次
弔電について
弔電の送り方
弔電の相場
弔電の文例
弔電を送る際に気をつけること
まとめ
弔電について
弔電は訃報を受けた時、お通夜や葬儀に参列できない場合、遺族や故人に対してお悔やみの気持ちを文章にして送るものです。
弔電を送るには
弔電は、お通夜や葬儀に参列できない場合は、送るのがマナーとされています。弔電を送るには、NTT、KDDIなどを始め、郵便局、通信系の会社などの取扱窓口で、メッセージと印字する台紙を選択します。台紙は葬儀にふさわしいデザインのものが各種用意されています。
弔電を送るタイミング
訃報を受けて、お通夜や葬儀に参列できないことがわかれば、すぐに対応しましょう。できれば、お通夜の前日には届けたいもの。訃報を受けたタイミングにもよりますが、受けた日か翌日には送る手配をします。葬儀が終わる前に届くように手配しましょう。
弔電の送り方
弔電を送るには、電話かインターネット、あるいは郵便局の窓口から申し込むことができます。
申込内容について
申し込みに必要な事項は下記のとおりです。
・お通夜、葬儀の日時(受付開始時間)
・お通夜、葬儀の会場名と住所、電話番号
・故人の名前と喪主の名前、故人と喪主の関係、喪家の宗教
・弔電のメッセージ
電話で送る場合
局番なしの115に電話をするとNTT(東日本・西日本)の「お悔やみ弔電サービス」につながります。受付時間は8時~19時で、年中無休。14時までに申し込み完了分は、当日中に日本全国(一部地域を除く)に届きます。
電話のメリットは、オペレーターと相談することができる点です。弔電の内容が決まっていない方、それに伴う料金なども相談しながら進められます。
インターネットから送る場合
電話受付と違う点は下記の通りです。
・24時間年中無休で受付
・送る台紙を画面から確認できる
インターネットの場合は、すべて画面から操作しますので、ゆっくりと時間をかけて台紙を選び、メッセージも考えながら申し込みすることができます。
郵便局の窓口から送る場合
郵便局の窓口からはレタックスで送ることができます。専用の原稿用紙に記入して郵便局の窓口で差し出すこともでき、ポストに投函することも可能です。
弔電の相場
弔電の金額は、台紙の種類とメッセージの文字数によって決まります。弔電の台紙は無地のものから刺しゅう入りのものまで種類が豊富です。無地の台紙で500円から、豪華な刺繍の台紙、プリザーブドフラワーや線香が付いたものは5,000円から1万円くらいのものまであります。
これに文字数の金額が追加されます。定型のフォーマットのものから、手持ちの画像や写真をアップロードしてオリジナルのものまで、幅広く選択できます。トータルすると、1,000円くらいから15,000円くらいまでと幅があります。その中で一般的な関係性での相場は、会社関係者で3,000円前後、個人では1,000円前後から3,000円ほどです。
弔電の文例
一般的によく使われる文例を紹介します。文例についてはインターネット申し込みの際に画面から選択できるようなものが一般的になっています。もちろん内容のアレンジは自由です。
一般的な文例
●●●様のご逝去を悼み 謹んでお悔やみ申し上げます
●●●様のご逝去を悼み 謹んでお悔やみ申し上げますとともに 心からご冥福をお祈りいたします
弔問に行けないことを詫びる文例
●●●様ご逝去のお知らせをいただき 悲しみに堪えません 弔問のかなわぬ非礼を深くおわびするとともに 遠方より謹んで哀悼の意を表します
突然の悲報にただ茫然としております お別れにも伺えず残念でなりません 遠方よりご冥福をお祈りいたしております
突然のお別れだった場合
突然の訃報に接し 驚きを禁じえません ご生前のお姿をお偲びしつつ 安らかな旅立ちでありますよう 心よりお祈り申し上げます
会社関係者が亡くなった場合
社長様のご逝去を悼み 社員ご一同様のお嘆きをお察し申し上げますとともに 謹んでご冥福をお祈りいたします
弔電で使う敬称
一般的に父は「ご尊父様」、母は「ご母堂様」、夫は「ご主人様」、奥様は「ご令室様」を使用。息子は「ご子息様」、娘は「ご令嬢様」、ご兄弟姉妹は、「ご令●様(●に兄弟姉妹が入ります)」となります。
弔電を送る際に気をつけること
弔電を送る際に気をつけておくことがあります。弔電は葬儀の中で読み上げられるものです。葬儀の前に遺族の手元にしっかりと届くようにしましょう。そして読み上げられる時に、恥をかかないようにマナーなどに気をつけます。
弔電の宛先と宛名
弔電の送り先は、斎場や葬儀場、自宅などの通夜や葬儀を執り行う会場宛となります。その際に、送り先の住所と電話番号を入手しておきましょう。
宛名は喪主にするのが一般的です。それは会場となる葬儀場が喪主の名前で葬儀を管理しているため。それ以外の名前で送られてくるものは処理してもらえない可能性が高くなります。
喪主ではなく友人宛に送りたい場合。例えば、亡くなられた方が友人のお父様で、喪主がお母様の場合に、友人あてのメッセージとして送りたい時は、「●●(喪主の名前)様方 ●●(受取人の名前)様」とします。必ず喪主のお名前は先頭に来るように記述しましょう。
弔電の差出人
弔電の差出人は、ご自身の名前の他に、必ず故人との関係性を書きましょう。差出人が故人や弔電の受取人といくら面識があったとしても、喪主に誰かわかってもらう必要があるためです。
お名前は当然の事、会社名(団体名)、役職名(肩書)、氏名のふりがな、故人や受取人との関係性なども記載すると親切です。加えて遺族からのお礼状を送りやすいように、連絡先や住所を明記しておきましょう。
使ってはいけない言葉
弔電の文面には不幸を連想させる忌み言葉や、重ね言葉は使用しないように気をつけます。忌み言葉とは、例えば「死ぬ」や「急死された、死亡、死去」など。また死を連想させるような言葉としては、「四」や「九」、「切れる、離れる」などです。
重ね言葉は、「たびたび、くれぐれも、重ね重ね、いよいよ、ますます、返す返す、次々と、再び、続く」などがあります。また、仏式では、「浮かばれない、迷う」、キリスト教では、「成仏、冥福、供養、往生」などの仏教用語は避けるのが賢明です。
文面での注意点
弔電の文面には、句読点は使わないようにしましょう。句読点は、「切れる」「離れる」を連想させるためです。句読点の代わりに、一文字分の空白を取ります。
まとめ
弔電を打つことは、それほどややこしいことではありません。最低限の知識さえ身につけておけば、いつ何時その時が訪れたとしても、焦ることはありません。インターネットの画面から、文面や台紙も選んですぐに申し込めます。この機会にポイントだけ押さえておきましょう。
●取材協力・監修/公益社(https://www.koekisha-kyoto.com)京都・滋賀で85年に渡り葬儀奉仕の道をひと筋にあゆんでいます。「もしも」の時安心してお任せいただけるのが公益社です。
●編集/中野敦志(京都メディアライン・https://kyotomedialine.com FB)