ただ入籍しただけの結婚生活は夫の不倫で強制終了
同棲生活は4年も続く中、結婚の話が出たことは一度もなかった。結婚について詩さんからほのめかすもかわされることばかりだったと振り返る。5年を超えたときに、断られたら別れるという覚悟を持って詩さんから結婚を迫り、相手は縦に首を振ってくれたという。
「逆プロポーズですよね。友人の中にも結婚を迫って別れてしまう子もいたので、本当にイチかバチかでした。
相手はそんな私の覚悟を知って、別れるよりはという感じで結婚を選んでくれただけでした。本当に籍をただ入れただけ。結婚に関するすべてのものは拒否か私任せでしたから」
夫は「結婚式はやりたくない」「親への挨拶も本当にしないとダメ?」「俺の家への挨拶はいらない。電話しとく」といった感じで、やっと行ってもらえたのは詩さんの両親への挨拶のみだった。
「夫はまだ販売の仕事を続けていたので休みは平日だったこともあって、週末の夜にうちの両親と顔合わせの食事をしただけです。同棲を開始するときもそれからもずっと挨拶をしなかったので、両親、とくに父の夫に対する印象は最悪でした。反対こそされませんでしたが、『お前がいいなら、いいけど。お父さんはちょっと……』みたいな感じで渋々でしたね」
そんな父親の悪い予感は的中する。夫は仕事関係で知り合った女性と不倫関係になってしまい、女性側が妊娠したこともわかり、離婚に至った。
「気づいたきっかけは相手の女性からのリークです。子どもができたのに夫が私と別れてくれないと、『慰謝料を払うから別れてください』と訴えてきました。その後のことは私はうまく考えることさえできなくなって、ただそこに座っていただけ。お互いの両親も巻き込んで離婚に至りました。
同棲が長いとすでに夫婦みたいな倦怠期があって結婚する前からレスでした。それがこの結果かと思うと、ちょっと笑えてきますね」
【再婚相手は一回り上で子どももすでに独立。楽しい夫婦生活を一変させた、社交的すぎる夫が紹介したいと言ってきた相手とは。~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。