怒ってばかりいる妻とは、もう一緒にいられない
それから1週間のべた付きの調査をして、この女性は夫の愛人であり、毎日のように通っていることもわかりました。
夫は午前中に女性と会い、ランチを食べてから、15時くらいに出社する。18時まで執務をして、18時30分からどこかで会食し、女性がいる店に行き、帰宅するというのがルーティンでした。
女性と夫が知り合った経緯は不明ですが、女性は夜の飲食店に週3で勤務しているので、そこで知り合ったものと思われます。
人といるときも常に無表情なので、商談相手もしきりに気を使っている。ビジネスの会食に、跡取り息子も同席するのですが、親子の顔立ちも、表情が乏しいところもそっくりです。
愛人宅なので浮気の証拠として使えるかというと、弱いところもありますが、夫は危ない橋を渡らない。以上の調査を瑞希さんに報告しました。
私にとって夫は全くの無表情のように見えましたが、素行調査の動画を見ていた瑞希さんは「笑っているし楽しそうにしている」と泣いていました。
それから、瑞希さんは証拠を片手に夫と話し合ったところ、夫から「離婚はしなくてもいいから、出て行ってほしい」と言われたそうです。
「DVの診断書や私の会話の録音などを出されて、“お互いにこんなことをするようになったら夫婦は終わりでしょう”と言われたのです。無表情なあなたが悪いと言いましたが、そのことは全く耳に届いていていないようでした。もう、なんだかわかりませんよ」
私たちも調査を続けて来て、夫婦の間に信頼関係が亡くなってしまうと、砂を噛むような味気ない結婚生活になってしまう。どちらかが相手を疑い監視するようになったり、このケースのように暴力が発生することもあります。
結局、瑞希さんは離婚をせず、妻として家に留まることを選びました。夫とは家庭内別居をしており、我慢比べのようになっているそうです。
夫は瑞希さんを「ないもの」として扱っているそうで、「当てつけに買い物でもしてやろうか、若い男と恋愛をしまくってやろうか、夫の腕時計コレクションを売り飛ばしてやろうかと思っています」と言っていました。
家庭が心安らぐ場でないのに続ける夫婦関係に少々疑問を想いつつも、依頼者・瑞希さんが納得がいく人生を送れるように願ってやみません。
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/