夫に対して手を上げてしまう
夫の自宅に行くと、オーバーサイズの服の山。どれもハイブランドで、どれを持って行ってもいいと言われたそうです。
「でも、高価すぎます。そこで、フリマアプリに私が出し、販売額の半額をいただくことにしたのです」
半年以上通ううちに、どちらともなく男女の仲になる。夫は大柄でふっくらした女性が好きだそうで、瑞希さんのことも一目ボレしたのだとか。
「夫からは“服を出汁にオマエを釣ろうとした”と言われました。それからすぐにプロポーズされて、“なんでも好きなものが買える生活をさせてくれるなら”と結婚したのですが、夫に対してイライラするようになりました」
その理由は、なんでも受け身であること。依頼しないと徹底的に行動しないのだそう。
「例えば、夫の誕生日を私は盛大に祝いました。喜ぶ顔が見たくて、真冬なのにスイカを探したんです。その翌月は私の誕生日だったのですが、そこを夫はスルーした。“なんで?”と聞くと“え? 祝って欲しいと言われなかったから”と」
一事が万事この調子で、瑞希さんは夫に対してダメ出しをするようになる。夫は言葉のセンスがなく、見当違いなことを言っては、瑞希さんを怒らせていた。
「あまりにひどいと手を上げたり、モノを投げたりしてしまうんです。夫はボーッとして抵抗しないから、怒りが爆発してしまう。その後、自己嫌悪になり、夫に捨てられることが怖くて優しくする……というループにはまるのです」
そんなある日、夫のLINEを見る機会があり、ハートマークがついた文面が見えた。驚いて問い詰めると、夫はそのことを認めず、力ずくでスマホを奪おうとすると、頬を張られた。
その後、瑞希さんもカッときて、夫を平手打ちした後、夫を病院送りにするほど叩いてしまったのだとか。
そして、夫を診察してくれたお医者さんから心療内科に行くことを薦められたそうです。
「夫はこのことにより、私と離婚をするつもりらしいのですが、夫のほうが浮気をしているのに、私を叩きだすのは間違っている。夫が私にプロポーズしなければこんなことにはならなかったし、暴力の発端は、夫が徹底的に受け身であることです。離婚するのは納得できませんし、そうするなら慰謝料を払ってほしい」
瑞希さんは離婚のために、夫の浮気の証拠を取ってほしいとのことで、私に調査を依頼しました。
【無表情な夫はルーティンを崩さなかった……その2に続きます】
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/