取材・文/ふじのあやこ
日本の非婚化が進行している中でも、離婚を経験後にもう一度結婚に向かう人たちもいる。今回は再び家族を求める人たちに、その理由を伺った。
巧さん(仮名・45歳)は高校の同級生と28歳のときに結婚。子どもがいる家庭を望んでいたが、妻に「私に似た子どもはいらない」と一喝され、さらにはクレジットカードの家族カードで散財していることを咎めたところ、家事を放棄されてしまった。
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お金を払ってでも、今の生活を捨てたかった
妻が家事をするのは週2ほど。家事も掃除や洗濯がメインとなり、ご飯は作ってくれなくなった。仕事終わりに妻に気を使って2人分の食事を買って帰る毎日だったという。
「これを言うと反感を買うかもしれないんですけど、やっぱり結婚して専業主婦だったらご飯は作ってほしいのが本音です。作ってくれなくなって最初は自分の分だけ既製品を買って帰るようになったんですが、1人分というのが妻の気に障り、『思いやりがまったくないのね』と言われたんですよ。そこから気を使って買って帰るようになりました……」
極めつけは、自宅の賃貸マンションはペット禁止にも関わらず猫を拾ってきたこと。その頃から巧さんは喉が詰まるような感覚が離婚後までつきまとうようになる。
「猫は嫌いではないけれど、そもそもペットは禁止で、さらには『家族なんだから』と猫に関連するものなら文句を言わないと思っているのか、また散財が酷くなりました。その頃ぐらいからかな、喉が詰まるような感覚に襲われるようになったのは。気のせいかもしれないけれど家に帰ると、つっかえている感じが強くなるんです。検査してもらっても特に異常はなくて、検索したら“ストレス”と……。その頃には愛情なんてまったく残っていなかったので、別れるしかないと思いました」
離婚の話を持ちかけたときの妻の返答は「嫌です」の一言。何度も離婚について話し合う中で巧さんは頭を下げて離婚を切り出した。
「妻は、『慰謝料をいただきます』とだけ。独身時代の貯金から250万円を渡して離婚しました」
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