元気な心とからだを保つマヤコ流「5つの知恵」

本誌インタビュー(2021年10月号:https://serai.jp/hobby/1038608)で独特の人生観を披露し、大きな反響を呼んだ室井摩耶子さん。このほど上梓した新刊が話題の室井さんに、改めて元気の秘訣を聞いた。

マヤコ流「元気を保つための五箇条」

一、老いては「個」に従って生きる
一、年齢を理由に我慢しない
一、長生きのために肉を食べる
一、シミやシワは「わが同士」
一、「なぜ?」の好奇心を大切に

むろい・まやこ 大正10年、東京生まれ。6歳でピアノを始め、東京音楽学校(現・東京藝術大学)を首席で卒業。昭和20年、ソリスト(独奏者)デビュー。海外を拠点に13か国で演奏会を開催。59歳で帰国し、今も現役。

この春、101歳になりました。

「なぜ100歳を過ぎても元気なのか」と、よく尋ねられます。思ったようにすたすたと歩けず、「マヤコ、しっかり!」と何度も口にする私ですが、それでも元気に楽しく暮らしています。

『月刊ショパン』に連載している室井さんのエッセイ「ピアニストの呟(つぶや)き」も100回越え。月に一度、いまも手書きで原稿を執筆している。

きっと「人の目」を気にしないのがいいのかしら。こうしなさい、ああしなさい、と周囲はいろいろ言うけれど、どうしようもできないことはあります。嫌なことは嫌ですし、噓つきの人とは誰であっても付き合いたくありません。

ピアノを選んだのも私。結婚せずにひとりでいるのも私。眠くなったら「からだがノーって言ってるわ」とさっさと寝る。相手にも頼りたくないし、求めない。食べたいものを食べ、やりたいことをやる。

心とからだの自然に任せた生活で、人の言うことは聞きません。

嫌なことも素敵なことも、心の「頭陀袋(ずだぶくろ)」に放り込んでおしまい。そんなふうに自分らしく、個性豊かに生きたほうがいいなんて考えていたら、こんな考えが浮かんできました。「老いては『子』に従え」と言いますが、「老いては『個』に従え」ではないかと。

年老いた後は、何事も子どもに任せるのがいいという格言めいた言葉がありますが、わたしは最期まで、「個」の意志を貫いて生きることが大切だと思うのです。わたしという「個」、わたしの「心とからだ」に自然体で従ってきたからこそ、年齢を重ねても、いつまでも幸せに生きられています。

90歳を目前に自宅を新築

私は90歳を目前に、自宅を新たに建て直しました。みなさん、声にこそ出しませんでしたが、「老い先短いのに何とち狂ったんだ」と思ったことでしょう。

でも、年だから我慢しなくちゃいけないなんて決まりはありません。我慢してもいいことは起こらないし、楽しくありません。

口にするものも、からだが「食べたい!」と欲したものが第一。私はお肉を好んで食べます。肉食によって、体力も集中力も持つことを実感しているからです。ところが、昨今は野菜礼賛の風潮があり、そんな折、老年学の泰斗 、柴田博博士と話す機会を持ちました。先生は「長生きしようと思ったら、お肉を摂ること」と言います。40年以上前から主張しているのに、なかなか浸透しないそうです。みなさん、お肉の効用に気づいていないのかしら(笑い)。

顔にはシワにシミばかりです。歓迎しているわけではありませんが、悲しいことでも、良くないことでもありません。一緒に生きてきた「わが同士」ですから。それだけ一生懸命生きてきたということじゃないかしら。個性のひとつとして愛おしくさえ感じます。

100歳を過ぎても鍵盤の上を跳ねるように動く室井さんの指。その躍動感と、そこから生み出される粒だった音に衰えはない。

振り返ると、私は「なぜ?」「どうして?」が口癖だったようです。ピアノを始めた6歳の頃から、興味をひくことは片っ端から周囲を質問攻めにしていました。

今も知らないことへの好奇心が尽きません。生命の神秘のこと、宇宙のこと。宇宙なんて、9割以上は正体不明の未知の物質とエネルギーでできているんですって。こうした楽しい「疑問」を発見していくと、俄然、年老いてからの日々も楽しくなっていくと思います。それが健康長寿や元気の秘訣なのかもしれませんね。

映画『ここに泉あり』(昭和30年、監督・今井正、主演・岸恵子)で作曲家の山田耕筰(写真右)と共演。劇中のピアノも絶賛された。

取材・文/角山祥道 撮影/宮地 工

『『マヤコ一〇一歳 元気な心とからだを保つコツ』

室井摩耶子/著 小学館 1320円

人生100年時代が幸か不幸かは「心とからだ」次第。100歳を過ぎて、現役ピアニストとして活躍するだけでなく、ひとり暮らしの日々を満喫するマヤコさん。自分らしく心豊かに暮らす秘訣を凝縮した、読むほどに長生きしたくなる“愉快爽快”なエッセイ。

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※この記事は『サライ』本誌2022年9月号より転載しました。

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