「モテる男は、いろんな女と恋をする」
正尚さん35歳、妻32歳でようやく結婚したという。
「妻が30歳になったとき、彼女の父親に『どう思っているんだ? このままなら、別の男と結婚させる』と言われて、それから2年引っ張って入籍した。妻のことは愛していたと思う。何も言わずに側にいた。妻本人から結婚を迫られたり、何かを求めてきたことはほとんどなかった」
男は生殖本能があるから、いろんな女性と恋をするものだというのが、正尚さんの考え方だ。
「今はもうトシだから、そんなことはしていない。今の若い子はかわいそうだよね。ウチの会社の20代の話を聞いていると、恋愛をしている人がほとんどいない。むしろ童貞であることがブランドみたいになっている。『30歳までしなかったら、魔法使いになれるんです』ってフツーに言っていて、女子社員も『がんばれ~』とか『オマエなら大丈夫だ』などと言っている。男女関係は変わったよね。ウチの妻は、そんな言葉を口にしなかったし、そういう話になったら、そっと身を隠していた。今の女性は強いよね。こっちが赤面してしまうよ」
正尚さんは「妻に性欲はなかった」と言い切る。
「だって、女性は子供を2人も産めば、性欲が無くなる人が多いんじゃないかな。僕の女友達もそうだし、社員もそうだという。こんなことを言うと怒られそうだけれど、母になった女性の多くは、いわゆる“女”という土俵には立たないようにも思う。だって、揺るぎない関係性を手に入れたじゃないか。男女の愛情という揺るぎやすいものの上に立っているのではなく、 “ 子どもの親”という盤石さの上にドンと立っている。そういうところに立っていると、そういう気持ちはなくなるんだと思うよ」
【正尚さんは、現在の夫婦関係で問題になっている「妻だけレス」だった……~その2~に続きます】
取材・文/沢木文
1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)がある。連載に、 教育雑誌『みんなの教育技術』(小学館)、Webサイト『現代ビジネス』(講談社)、『Domani.jp』(小学館)などがある。『女性セブン』(小学館)、『週刊朝日』(朝日新聞出版)などに寄稿している。