物価の上昇が続いているいまは、家計を見直す良い時期とも言えます。
しかし、やみくもに節約することにとらわれていると、心の豊かさを失ってしまいかねません。そこで、自分の生活スタイルを大切に、オリジナルの節約を楽しんでいる女性の節約のコツを、『暮らし上手な人に教わる、節約のくふう100』(宝島社)よりご紹介します。第1回は、料理家のワタナベマキさんです。
食材は丸ごと無駄なく活用しておいしい料理に進化させる
「今は、自宅の近くで栽培されている有機野菜を購入して料理に使っていますが、いつかは自分で畑を耕して、自給自足の暮らしがしたいと思っています」と話す料理家のワタナベさん。
外出自粛のため、買い物に行くこともままならない日々が続きました。それゆえに、手もとにある食材をしっかり活用するという意識が高まり、有機野菜は、皮も葉も丸ごといただくようになったといいます。
ワタナベさんが料理をするうえで大切にしているのは、“野菜は新鮮なうちに使う”ということ。このセオリーは、有機野菜の丸ごと活用術にも活かされています。例えば、かぶの葉は新鮮なうちに刻んで塩もみすれば、常備菜として役立ちます。また少しだけ余った野菜は、すり下ろして塩、ビネガー、オリーブオイルと合わせ旨味たっぷりのドレッシングに。わざわざ買わなくてもおいしいドレッシングができ上がります。
今まで捨ててしまっていた部分も、くふうしだいで料理を引き立てる脇役に変身させることができるとワタナベさん。レシピの幅もいっそう広がると語ります。
ベランダのグリーンを料理やインテリアに
ワタナベさんのベランダには多彩なグリーンがのびのびと育っています。ミント、バジル、セージ、セントジョーンズワートなど、調理に活用できるハーブも豊富です。
「オリーブやローズマリーは枝が伸びたらカットして、玄関に束ねたものを飾ったり、蔓系の植物は花瓶に活けてキッチンに飾ったりと、部屋のインテリアに取り入れています。フラワーショップでわざわざ花を買うことはめったにありません」
自分で育てた分、植物への愛情も深まります。
サステナブルな暮らしを実践しているワタナベさんのご家庭では、ゴミの削減にも気を配ります。
「うちの家族は炭酸水をよく飲むのですが、ペットボトルのものを購入するとプラスチックゴミが増えてしまいます。それを避けるために、炭酸水メーカーを使って自分で作るようになりました。これならいつでも炭酸水を飲むことができ、冷蔵庫に入れておけば2日は持つので重宝しています」
環境保護を意識した節約法で暮らしを楽しむワタナベさんです。
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『暮らし上手な人に教わる、節約のくふう100』
宝島社