「年頃の女性を……」義両親の勧めでシングルファーザーと再婚することに
由香里さんと旦那さまは同じ会社の先輩、後輩の関係でした。今はどちらもその会社を退職しているものの、関係は切れることなく続いていった中で、既婚者だった相手がバツイチに変わったと言います。
「念のため言いますが、不倫関係にはなっていません。関係も仕事の延長としての付き合いがほとんどだったんですが、離婚したことを聞いてしばらくしてからお互いがプライベートなことに誘い合うようになり、恋愛関係になりました。
付き合うことを決めたのは36歳のとき。相手は40歳で子どもと暮らしていましたし、結婚はまったく考えていませんでした。結婚は、義両親に勧められたのです」
結婚を意識していなかったものの、付き合っている間から子どもとの交流は少しあり、義両親との挨拶も義両親側が望み行われていたそう。そこから「年頃の女性を捕まえて……」と旦那さまは説得されたのだとか。
「『お相手は未婚の方でしょう』とか色々言われたみたいです。責任なんて気にしてもらわなくて良かったんですけどね。でも、結婚願望は35歳ぐらいのときになくなっていたと思っていたんですが、相手から結婚の話題が出たときには、嬉しかったんです。家族になれるというよりも、“やっと一人前になれた”というホッとするような感じでした。認めたくはないけれど、私の中にも親の呪縛のような言葉がずっと残っていたんだと思います。
義両親や私たちが結婚を決めた理由には、子どもが男の子ということもありました。女の子よりも難しくない、親のプライベートにうるさくないという共通イメージだったんですよね」
「そうなんだ」と一言だけ発して親の再婚を反対しなかった継子。中学生の子どもと仲良くなる道は想像以上に厳しかった。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。