お勤めの方や個人で事業をしている方、もしくはこれから事業をスタートしようと考えている方にとって、節税対策は非常に関心があることではないでしょうか。しかし、専門的な知識や経験が必要な分野で、何を利用すればご自身にとって有効なのか、判断が難しいかもしれません。

そこで今回は、日本クレアス税理士法人の税理士 中川義敬が、長年にわたる税務申告のサポートを通じて得た幅広い知識や経験に基づき、サラリーマン・個人事業主の具体的な節税対策についてお話ししたいと思います。

目次
「節税」の意味とは?
具体的な節税方法とは?
保険による節税方法は?
まとめ

「節税」の意味とは?

日本には所得税、住民税、消費税、法人税など色々な種類の税法があります。節税とは、これらの計算を行ううえで、各種優遇税制を活用して、納税する税金を低く抑えることです。正しい知識や経験がないとうまく節税の効果を得ることがでないうえ、そもそも優遇税制が用意されていても、知らなければ大きな損をすることになるかもしれません。

その一方で、収入を隠したり、経費の架空計上をして税金を抑えることは節税ではなく、脱税になります。これらは似たような言葉ですが、意味は全く異なります。

具体的な節税方法とは?

節税の方法はいくつかありますが、代表的なものをサラリーマンの方と個人事業主の方に分けてご説明します。

サラリーマンの節税対策

会社にお勤めの方が実施できる節税対策についてわかりやすくご紹介します。ここでは、ふるさと納税とiDeCo、不動産購入について説明していきます。

ふるさと納税

ふるさと納税は、税金対策の中でも最もポピュラーな対策といえるのではないでしょうか。しかし、厳密には、ふるさと納税は節税をしているわけではないので、注意が必要です。確定申告により各自治体に寄附を行うことで、寄附金額から2,000円を超える金額が所得税と住民税から控除される仕組みになっています。しかし、あくまで将来納税する所得税と住民税の前払いをしているにすぎません。

とはいえ、寄附を行うことで各自治体から返礼品が送られてきます。何もしなければ税金を支払うだけであったものが、返礼品というプラスのもの得ることができるので、積極的に活用をしたほうがよいでしょう。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoとは公的年金にプラスして給付が受けられる年金制度のことをいいます。預金や投資信託など自分が選んだ商品で運用した後、原則60歳以降に年金または一時金で受け取ることが可能です。節税のメリットはそれぞれ下記のとおりです。

・所得控除の対象になる

支払った掛金が「小規模企業共済等掛金控除」という名目で所得控除の対象になり、給与所得から控除されることで所得税と住民税が減税されることになります。所得控除の適用を受けるためには、お勤め先で年末調整を実施してもらうか、確定申告をする必要があります。

・運用益や利息が非課税になる

通常、投資信託や預金を運用して、運用益や利息が発生した場合、そこから税金が差し引かれます。しかし、iDeCoで運用した場合には運用益や利息には税金がかかりません。よって長期的な資産形成に非常に有効です。

・受取時も税制優遇

将来的に老齢給付金として、一時金や年金として受取りが可能です。その受取時も退職所得控除や公的年金控除などの税制の優遇を受けられ、一定の金額まで税金がかかりません。

不動産購入(住宅ローン控除)

住宅ローンを利用して、かつ一定の要件をクリアしてマイホームの新築、取得、又は増改築等をした場合には、所得税と住民税が減額される「住宅借入金等特別控除」の適用を受けることが可能です。「住宅ローン控除」といって、ご存じの方も多いのではないでしょうか。年間で最大35万円、最長で13年間、年末借入残高の0.7%相当額を所得税や住民税から控除できます。

住宅ローン控除を受けるためには、下記の条件をクリアする必要があるので注意が必要です。

・物件の床面積が50平米以上で、床面積の2分の1以上を居住の用に供するもの(合計所得金額が1,000万円以下の場合40平米以上)

・借入金の返済期間が10年以上であること

・この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、2,000万円以下であること

個人事業主の節税対策

個人で事業をされている方は、上述したサラリーマンの節税対策に加えて、さらに事業所得に有効な節税対策があるのでご紹介します。

・中古車の購入

業務用や通勤のために車を使用している場合は、事業として使用している割合に応じてその購入金額を経費に計上することが可能です。しかし、車などの固定資産は購入金額の全額を一年で経費にすることはできません。減価償却という方法により、年数をかけて徐々に経費化されることになります。仮に新車で車を購入した場合には、法定耐用年数が6年と決められており、1年で経費計上できる金額は購入金額のうち6分の1だけになります。

しかし、新車ではなく中古車を購入した場合は、法定耐用年数が短くなり、1年で経費に計上できる金額が増加します。そのため同じ支払金額でも短期間で経費化することが可能となり、大きな節税効果を得ることができるのです。

中古資産の耐用年数は下記の計算式により求めることができます。

例えば、4年の中古車を購入した場合には、耐用年数は2年です。

【中古資産の耐用年数の計算方法】

(法定耐用年数 - 経過年数)+(経過年数 × 20%)
※2年未満の場合には2年とする。

⇒(6年 - 4年)+(4年 × 20%)= 2.8年 → 2年

新車を購入した場合、全額経費計上するのに6年かかります。しかし、4年の中古車を購入すると耐用年数が2年に短縮されるため、固定資産を短期的に経費にしたい場合には、中古車を購入することをお勧めいたします。

保険による節税方法は?

サラリーマンや個人事業主の方が生命保険を支払った場合、「生命保険料控除」の適用を受けることができます。支払った保険の種類に応じて、年間最大12万円までの金額を年間の所得金額から控除することが可能です。適用を受ける場合は、年末調整か確定申告の手続きが必要になります。

また、将来的に死亡保障を受け取った場合、相続人 × 500万円までは相続税の非課税対象となり、相続税を圧縮する効果も合わせて受けることが可能です。

まとめ

今回ご紹介した節税対策はその中でも代表的なものばかりです。いずれも効果だけでなく適用要件や手続きの方法までを理解することで、より効果的に利用できるものです。もし、ご自身でお調べになることが手間であれば、節税対策に関して詳しい税理士にご相談をされるのがよろしいかと思います。 

構成・編集/松田慶子(京都メディアライン ・https://kyotomedialine.com

●取材協力/中川 義敬(なかがわ よしたか)

日本クレアス税理士法人 執行役員 税理士
東証一部上場企業から中小企業・個人に至るまで、税務相談、税務申告対応、組織再編コンサルティング、相続・事業継承コンサルティング、経理アウトソーシング、決算早期化等、幅広い業務経験を有する。個々の状況に合わせた対応により「円滑な事業継承」、「争続にならない相続」のアドバイスをモットーとしており多くのクライアントから高い評価と信頼を得ている。

日本クレアス税理士法人(https://j-creas.com

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