彼女の息子も私に懐いてくれている
8歳の息子がいるシングルマザーの舞子さんが、今回の調査対象。
「舞子さんの息子というのが、こまっしゃくれた子で、学校の先生をはなっからバカにしている。それで成績がガタ落ちになり、不登校になりかけていた。舞子さんは子供に勉強をさせたいと思っているので、連れてくるんです。でもまあ言うことを聞かない。そこで、私がその子を教えることにしたのです。先生という連中は上から“今は勉強する時間です”とか“この問題をやりましょう”、“席を立ってはいけません”というように、上から目線で子供に押し付ける。でも私は、営業職だった時代に変わり者のクライアントを対応してきた。こんなガキを手なずけるなんて、朝飯前なんです」
みんなが匙を投げた問題児に洋一さんは勉強を教えた。
「すると地頭がよかったのか、みるみる勉強ができるようになり、彼も“洋一さん”と懐いてくれるようになったんです。舞子さんも私のことを思ってくれて、周囲の人と私が衝突すると、フォローをしてくれた。私は舞子さん親子に会うことが楽しみになりました」
出会いから半年、舞子さんと洋一さんの間に、信頼関係が結ばれたと感じたときに、洋一さんは舞子さんを食事に誘う。客単価7000円程度の串揚げのお店です。
「息子さんを実家に預けてくれて、2人で語り合ってとてもいい時間を過ごしましたよ。“こんなにおいしいものを食べたのは初めてです”と言ってくれて、お酒もいける口なのか、たくさん飲んだんですよ」
そこでわかったのは、舞子さんはかなりトップクラスの都立高校に進学したけれど、親が貧しかったために卒業後はキャバクラに勤務したこと。そして26歳まで仕事を続けたけれど、その後は派遣社員になったこと。そのときに、正社員の男性に関係を強要されて授かったのが息子だということも。
「激しい怒りを覚えました。それでもひたむきに生きている舞子さんがけなげで愛しくて、妻と離婚して結婚しようとまで思ったのです。妻とは見合い結婚に近い状態で、浮気もしていません。それでも、こんなに心を動かされることはなかった。その後、舞子さんと何度か食事に誘ったのですが、断られるようになってしまい、最近は息子も教室に来なくなってしまったのです。どうして、そうなってしまったのかが知りたいんです。私は舞子さんとその息子の父親になりたい。新しい家族になりたいんです。だから、舞子さんが今何をしているか知りたい。そして変な男がついていないか心配です。そこを調べてください」
【可憐なシングルマザーに初めての恋、勉強を教えた息子と彼女はなぜ姿を消したのか…後編に続きます】
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/