取材・文/沢木文

「女の友情はハムより薄い」などと言われている。恋愛すれば恋人を、結婚すれば夫を、出産すれば我が子を優先し、友人は二の次、三の次になることが多々あるからだろう。それに、結婚、出産、専業主婦、独身、キャリアなど環境によって価値観も変わる。ここでは、感覚がズレているのに、友人関係を維持しようとした人の話を紹介していく。

学生時代からの仲良し3人組を分断したのは、仕事をしているかどうか

光子さん(63歳)は、先日、息子夫婦に子供が生まれ、「おばあちゃん」になった。このことで、年に1~2回程度会っていた旧友との関係がおかしくなってきているという。

「私と友恵、優子の3人のグループは、中学から短大まで過ごし、気が合ってよく遊んでいたんですよね。もう50年前からの付き合いなんですね。学生時代は放課後も校舎に残って遊んでいると、先生に“また花の三人組ですか。早く帰りなさい”とよく怒られていましたよ。今みたいに遊ぶところも多くなかったから、学校にいたんですよね。思えばあの頃が一番幸せだったかもしれない」

3人組のメンバーは、短大を出てそれぞれの道に進む。当時は、「20代のうちに結婚、30歳までに出産」など、「これをやって当たり前」というような同調圧力が強かった。それゆえに、3人は結婚や出産の時期も同じだった。光子さんと友恵さんには息子と娘が1人ずつおり、優子さんには娘が1人いる。

「子育ての時期が重なったこと、育った環境が似ていることも友情が続いたひとつの原因かもしれない。実家がそれなりに裕福で、それなりの夫と結婚。当時は、子供を産んで育てることが女の幸せとされていました。結婚していなかったり、子供がいない人に対して、“あの人、ちょっと変わっているから独身なのよ”とか“子供がいないから人の気持ちがわからない”などと、日常会話はもちろん、上司が部下に対して言っていましたからね。今なら問題発言になってしまう」

メンバーのうち友恵さんとは家も近く、頻繁に連絡を取っていた。これは今でも変わらない。

「問題なのが優子。彼女は成績優秀で、短大を卒業してから管理栄養士の専門学校に進学して、大手食品会社に就職したんです。私たちと同じ時期に結婚して寿退社。しかし、35歳くらいのときかな……優子は育児の手を離れたことを機に、再び元の会社の子会社に正社員として復職したんですよ。友恵と私は中小企業に勤務していたから、復職はできないし、パートだってやりたい仕事は特になかった。そのときに優子との距離ができてしまったんですよね」

このときまで、3人は夫の収入、子供の成績、生活のレベルなどがほとんど同じだった。だからこそ、関係がうまくいっていた。

仕事をしている人は、3000円のランチを食べられる……次のページに続きます

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