弁護士には「法律上の妻が最強です」と言われたが…
夫の異変に気が付いたのは、半年前に娘が出産したころ。
「久しぶりの赤ちゃんでしょ。娘も勤めに出ているから、“これからジイジ・バアバとして活躍しないとね”と言ったら、“俺に任せておけ!”などと返事をする。主人がこの言い切り方の返事をするときは、相当慣れていて、自信がある時なんですよ」
我が子の子育てもほとんどしていない。それなのに自信があるのはおかしい。そこで、「あなた、赤ちゃんのお世話、できるの?」と聞いた。
「すると、うろたえたような表情になったんです。目が泳ぐというか……この表情をしたのはかつて主人が不動産投資に失敗したことを私に隠していた時と同じです」
志乃さんは夫から毎日「愛している」と言われていた。また、大学時代の友人が自宅に来ると、「世の中にステキな女性はたくさんいるけれど、ウチのママは世の中にたった一人」などと言っていたという。
「だから浮気なんて思いもしなかった。とっくに夫婦の関係はないけれど」
それから2週間ほど経過し、娘が孫娘を連れて実家に来た。
「私も抱っこしようと思ったんだけれど、赤ちゃんを抱きあげるなんて息子以来だから、28年ぶりでしょ。おっかなびっくりになっちうの。でも主人は何の迷いもなく、首に手を当てて抱き上げたの。これは慣れている人の手つきよ。そのことを主人に言ったら、“動画を見て練習したんだよ”と言っているけれど、目が泳いでいる」
志乃さんに夫の行動を聞くと、夜や週末に家を空けることが多い。
「いちいち行き先を聞かないのが、我が家のルール。それでね、お願いする本当の目的は、財産のことなの。女性のところにお金が流れないようにしておきたいの」
もし、夫に子供がいたことを想定して、弁護士に相談したら、「法律上の妻が最強です」と言われた。しかしそれでも安心できない。
「主人は情に流されやすい。それに私も敵を知らなければなんともできない。主人は平日の夕方から数時間出かけることが多いのです。調べて証拠をつかんでください。ことと次第によっては、離婚です」
※本連載はプライバシーに配慮し、一部内容を変えています。
【夕方から出かけた夫は、同じ駅の反対側にある保育園に入って行った…その2に続きます】
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/