「妻たるもの、俺の言うことを聞け」という夫の命令
洋子さんの夫は、かなりの暴君のようにも受け取れる。
「夫の言うことを聞くのがいい妻だと言われて、“何をするにも俺の許可を取れ”と言われています。コンビニに行くのも、友達に会うのも家から出るときは夫の許可がいる。だから出張やゴルフでいないとホッとするんです。でも、予定より早く帰ってきて私がいないとムッとする。それはまあいいのですが、辛いのは朝6時に必ず朝ごはんを食べること。毎日一汁三菜、朝食を用意して夫を起こしに行くのが決まりなのです。盛り方や味付けまで細かく言われていますし、ご飯は土鍋で炊き立てでなくてはいけない。これが本当に辛い」
そこまでするのは、夫なりに「日本の家族が崩壊しているのは、妻が食事を作らなくなったから」という危機感があるから。
「せめて自分だけでも理想の家庭を築きたいと言っていますが、私は限界。あと、プレゼントやレストランの食事はオゴってくれますが、細かいことにうるさいんです。シャワーの水量が多いと、“それは水のムダ使い”とわざわざ言いに来たり」
実家と仲がいいのも、問題です。「嫁に来たからには、ウチの家の人間だ」と言って、私の実家に帰るのを邪魔してくる。
「明治時代とか昭和の戦前の映画に、“嫁は使用人以下”という描かれ方をされている作品がありますが、まさにそれと同じ。結婚半年後に“あなたの洋子という名前は色気がない。優美な名前……例えば、優香とか詩織とかに改名しない?”と言われたこともあったのです」
そんな夫の様子が最近、おかしい。
「モラハラをあまりしなくなったのと、ブランド物の下着をはいていることが増えました。また、すごい若作りをして出かけることもあり、夕飯を自宅で食べる回数も減りました。出張は増えて、私のことを構わなくなった。それはそれで好都合だと母に話したら“それって浮気しているんじゃない?”と言われました」
自ら離婚をするのは困難だと思っていたので、浮気の証拠を押さえ、慰謝料をもらって離婚したい。
「あんな夫とは、2年が限界です。私は円満に離婚がしたいのです」
【出張と言っていたが都内にいた……~その2~に続きます】
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/