子どもにまで嫌がらせをされたことで家族と決別
美穂さんは28歳のときに結婚、2年後には子どもが生まれます。子どもが生まれてことで実家に顔を出せと母親から言われる機会も増えたそう。しかし、実家で暮らす弟は美穂さんだけでなく、美穂さんの子どもにも冷たく接してきたとか。
「結婚のときも報告だけで、私が家族との関係がうまくいっていないことを夫には伝えていたので結婚式はしていません。家族とは縁を切ったわけではなく、連絡が来れば返すといった関係でした。もう大人で、私にも新たな家族ができたことで、無理やりに考えないようにするとかもなくあまり思い出しもしなくなっていました。
でも、子どもが生まれたことで、すでに姉夫婦には子どももいたんですが、両親は孫に会いたがって。子どもからおじいちゃんおばあちゃんを奪う権利は私にはないのでたまに帰省していたんです。そしたらまだ実家で暮らしている弟は、気持ちは学生時代のままなのかすれ違いざまに舌打ちされました。私にだけならまだしもたまに一緒に来てくれる夫にも『早く帰れよ』と聞こえるような独り言を言う始末で。そして、子どものことは見えていないような扱い。小さい頃はわからなかったことでも大きくなって、姉の子どもとの違いを本人も感じるようになってきたのか、叔父さんである弟のことを子どもも避けるようになりました」
子どものためにも、弟の存在がある限り実家から離れようしたという美穂さん。その結果、両親とも距離を取ることになり、親族の集まりにも声がかからなくなったと言います。
「もうそれで良かったんだと思います。子どもは弟のことを嫌がっていて、おじいちゃんおばあちゃんに会いたいとも口にすることもありませんでした。
そのうち姉から『なんでこの前来なかったの?』とメールが来て、親族の集まりにも呼ばれなくなったことを知りました。私があまりに実家に行くことを断り続けたので母親も私たち家族を見限ったのでしょう」
旦那さまは自分の妹と仲良くしているそうで、それを目の当たりにすることで美穂さんは今でもたまに姉弟のことを思い出すとのこと。
「なんで夫と義妹みたいな関係を築けなかったのかなって。小さいころ私が弟のことをいじめなかったら、父と姉の関係に嫉妬しなければ、今は違ったのでしょうか。私はただ姉弟を平等に愛してほしかっただけなのに」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。