兄の彼女に対して真っ先に悪口を伝えてきた両親
今日子さんに最初の彼氏ができたのは高校生の頃。当時は部活に所属することもなく、放課後はアルバイトか彼氏と遊んでいたと当時を振り返ります。
「本当に中学生ぐらいの頃から恋愛には興味津々で、少しでもかっこ良かったり優しかったりするとすぐ好きになってしまうタイプでした(苦笑)。高校のときには学校にもアルバイト先にも好きな人が別々にいて、自ら告白するなど積極的にアプローチして、学校の人とはうまくいかなかったけどバイト先の他校の同い年の男の子と付き合いました。その頃はシフトに入っていなくてもバイト先にいる彼に会いに行くなど、本当に我を忘れていましたね。友人よりも彼氏を優先していたら、女子から嫌われて友人もすごく少なかったです」
自身の惚れっぽさを自覚していた今日子さんですが、短大進学後にアルバイト先で出会った男性とは交際期間は6年と長く続いたそう。しかし、別れるときにはあっさり距離に負けたとのこと。
「1つ上の大学生で、友人期間も1年あって7年も一緒にいたんです。ぼんやりこのまま付き合っていたら結婚するのかなって考えたこともあります。2人の間に結婚の話なんて一度も出ていませんけどね。
別れたのは彼の転勤です。ついて行けば結婚していたかもしれません。でも、転勤の話を聞いたときに当然のように『ついてくるでしょう?』という態度になんか腹が立ってしまって。男性の転勤には当然のように女性はついていくものだとされているのに、男女が逆だったらありえないとされている。お互いに仕事していることも同じで、収入でも同じぐらいなのにどうしてなんだろうって。そんなことを彼の前で愚痴っていたら、『遠距離は無理だから別れよう』と。6年も付き合っていて離れるだけでフラれるんだって思うと、この人と何の信頼関係も築いてなかったんだなって痛感させられました」
付き合っていた6年の間に両親に紹介したことは一度もなかったそう。その理由にお兄さんの彼女の存在を挙げます。
「兄が彼女を連れてきたことがあって。当時はすでに兄は別のところで一人暮らしをしていて、ちゃんとした紹介というか、両親が他県で暮らす兄の家に遊びに行ったときに一緒に食事をしようとなったようでした。私は一度も会ったことがないのですが、その彼女のことを母親はあまりいい印象を受けなかったようで、『お兄ちゃん、あんな子のどこが気に入ったのかしら』とか言っていたんですよ。本当に印象が悪かったのかもしれないけど、まだ会ってもいない私に悪い印象を植え付けているようでした。父親なんて『かわいくなかった』と。容姿を悪く言う父親になんかぞっとしたんですよね」
年齢が進むにつれて両親からの結婚に対する圧迫がきつくなっていく。その中で知った父親、母親の価値観とは。
【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。