自分のわがままで夫を板挟みにしてしまった
義父の葬儀などがひと段落した後も義母の息子夫婦への執着は止まらず。それに辛抱できずに行くことを拒んだことで鬼嫁だと親戚に言いふらされていたとか。
「あのとき入籍してしまったこと、義両親の家が近いことが完全にあだになりました……。『親戚から1人では食べきれないほどの食糧が届いた』、『新しいものを購入する相談に乗ってほしい』など挙げたらきりがありません。その度に呼び出されて、最初は1人で寂しくなったこともあって断りきれずに付き合っていたんですが、半年も続くと嫌で仕方なくて。それ以降は夫だけ行ってもらっていました。そしたら、義母が食料を与えていることが私がご飯を作らないからということになり、夫が私のことをかばうと、夫婦の中にも上下関係を強いているとされました」
子どももいなくて夫婦関係にこだわりがなかった2人なので、香織さんは籍を抜くことを旦那さまに提案したとか。しかしそのことが原因でさらに義母との関係は悪化し、離婚を選択しようとすると、旦那さまにも多大な負担がかかってしまったそう。
「義母との縁を切りたかっただけで、夫との関係は維持したいという思いがありました。自分勝手ですけど私も限界でした。夫も嫁という立場があるからこんなことになると前向きに検討してくれていたのですが、夫が義母に軽く伝えたところ、離婚したら二度と会わせないと。『関係を続けるのであれば親子の縁を切る!』と言われたようで、さすがに自分からはできないと言われました。私のせいで夫が板挟み状態になってしまいました」
現在も2人の夫婦関係は継続しているものの、縁切り騒動後にコロナ禍に入ったこともあり、一度も顔を合わせていないとのこと。望んだ関係になったことを香織さんは喜んではいないようです。
「入籍以前はまったく気にしなくてよかったのに、今は窮屈な感じです。それに夫は定期的に実家に帰って母親の様子を見ているのですが、それを私に気を遣って一切何も話してきません。どこか2人の関係もギスギスしてきています。このままでは、いつか義母が望むかたちで離婚になってしまうかもしれません」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。