猛暑が珍しくなくなった日本の夏。大人だけなく、子どもは熱射病や熱中症の心配に加え、マスク着用による体調不良なども心配されます。温度の調節や水分の補給などが必要なことは一般的に知られていますが、日焼けによる体力の消耗についてはあまり知られていません。

そこで、株式会社ナリス化粧品(https://www.naris.co.jp)は、本格的な夏の到来を前に、全国の子どものいる25歳から49歳までの女性に、本人と子どもの日焼け止めに関する意識調査を行いました。

■日焼け止めは使用している?

まず、全国の子どものいる女性2,186名に、自分と子どもの日焼け止めの使用の有無を聞きました。結果は下記のとおり。

▷あなたとあなたの子ども(末子)は、現在、日焼け止めを使用していますか?
自分も子どもも使用している 38.9%
自分だけ使用している 33.6%
自分も子どもも使用していない 22.0%
子どもだけ使用している 5.5%

7割を超える女性が、自分自身や子どもに日焼け止めを使用していることがわかりました。

■子どもの年齢に伴う使用度の変化

日焼け止めの使用の有無が子どもの年齢によって異なる傾向があり、詳細を調べたところ、「自分も子どもも使用している」割合は、子どもの年齢が1歳の方が5割超が最大で、子どもの年齢が上がるほど、減少する傾向が見られました。

皮膚が弱い小さな子どもを気遣い、日焼け止めを使用していることが伺えますね。

■子どもの成長に合わせて変わる日焼け止め

日焼け止めを使用していると答えた女性850名に、日焼け止めをどのように使っているかを聞いてみました。子どもに合わせている方、それぞれ別に使われている方、子どもの年齢との変化を見ていきましょう。

親子それぞれ専用の日焼け止めが5割超

全体の結果を見ると「それぞれ専用の日焼け止めを使用している」と答えた女性が5割を超えていました。「自分と同じ日焼け止めを子どもにも使用させている」19.6%に対し、「子どもに合わせて、同じ日焼け止めを自分も使用している」と答えた女性が24.9%と後者の方が多数派でした。

また、子どもの年齢が低いほど、親子それぞれ専用の日焼け止めを使用している女性も多いことがわかりました。

子どもが幼いうちは、安全性を重要視する傾向が見受けられます。一方、子どもがある程度の年齢に達すると、子ども自身が日焼け止めを選んでいることが想定され、それぞれの好みにより専用の日焼け止めを使用していることが伺えます。

■日焼け止め、重要視するポイントは?

日焼け止めを親子それぞれに合った物を選ばれていることがわかりましたが、購入される時にチェックするポイントはあるのでしょうか。日焼け止めを購入する際に価格以外で、重要視することを選んでいただきました。

▷日焼け止めを購入する際に価格以外で、重要視することを選んでください。(3個までの複数回答)
SPFやPAの数字 51.8%
肌に刺激がないか 46.7%
日焼け止め効果 40.8%
使用感の良さ 36.8%
乳液やスプレーなど好みの種類 13.8%
家族で一緒に使用できるか 13.1%
容量 10.7%
持ち歩き易さ 8.4%
容器の使い易さ 8.1%
その他 8.8%

「SPFやPAの数字」や「日焼け止め効果」は、日焼け止めの基本機能であるため、当然重要視する項目です。しかし、特に高いのは「肌に刺激がないか」という項目。全体では、46.7%と約半数の女性が重要視しています。

また、子どもの年齢が低いほど、「肌に刺激がないか」という項目が重要視され、3歳までの子どものいる女性では、最も重要視するのがこの項目でした。0~1歳の子どものいる女性では約6割の女性が重要視すると答えています。

■日焼け止めに関する理解度は?

子どもの肌に刺激がないかなどを考えて購入されていることがわかりましたが、日焼け止めには使われている様々な言葉を皆さんは理解しているのでしょうか。日焼け止めに関する言葉の中で、自分自身の理解度にあてはまるものを選んでいただきました。

最もよく使用される「SPF」でさえ「意味をよく知っている」のは17.7%にとどまりました。また、「PA」は13.4%、「ケミカル」11.9%、「ノンケミカル」14.1%のように、「ウォータープルーフ」と「パッチテスト」を除くすべての言葉で、よく知っている女性は約1割という結果に。

肌への刺激は気になるものの、詳しくは知らない方が多いことがわかりました。質問項目に入っているそれぞれの言葉の説明は下記のとおりです。

SPF…短時間で肌に赤みや炎症を起こす紫外線のUV-B波を防止する効果を表す数字。数字が大きいほど、その効果が高い。数字が大きいほど、強い紫外線に対応できるというものではなく、長時間防げるという数字。国内では「50+」が最大数値。

・PA…肌を黒くする紫外線のUV-A波を防止する効果を表す指数。PAの後に+が、1つから4つあり、+の数が多いほど効果が高い。

・紫外線吸収剤…そのものが紫外線を吸収し、肌への影響を防ぐ紫外線防止剤。

・紫外線散乱剤…紫外線をはねかえす力でブロックする紫外線防止剤。

・ケミカル…英語のchemical (化学物質)のこと。ケミカルに、化粧品業界で定まった定義はありませんが、紫外線吸収剤を含んでいるものをケミカルと表現することが多いです。

・ノンケミカル…化粧品業界で定まった定義はありませんが、日焼け止めで使用される場合は、紫外線吸収剤が使用されておらず、紫外線散乱剤を使用していることを表現することが多いです。

・ウォータープルーフ…水分をはじくこと。

・パッチテスト…化粧品に対して肌がかぶれを起こすかどうか、上腕の内側など、紫外線の当たらない場所に実物を使ってみて24時間ごと48時間後に反応を確認するテストのこと。

・RIPTテスト…人を被験者として行うテストのこと。アレルギーの誘発性だけでなく、テストの過程で、突発的な刺激や、蓄積された刺激の両方を確認することができる安全確認のテストのこと。

・スティンギングテスト…敏感肌の人を対象としたひりひりやかゆみを評価するテスト。

・パラベン…防腐剤のこと。化粧品の長期の安定品質の保持のために添加されることが多い。

・UV-A…紫外線のうち、波長が長いもの。生活紫外線とも呼ばれる。肌に対する影響が大きく、肌の黒化や、弾力の低下によりシワやたるみの原因につながる。紫外線の9割はこの、UV-A波と言われています。

・UV-B…紫外線のうち、波長が中程度のもの。レジャー紫外線とも呼ばれる。肌のごわつきや、角層の水分量の低下から肌荒れにつながると言われています。

■日焼け止めによる「肌に合わない」「刺激経験」は?

日焼け止めは一般的に肌に合わない、刺激が出る人が多いとされているアイテムです。日常的に使用する12種類のアイテムの中で「肌に合わない、刺激があった」という経験があるかどうか聞きました。

以下のアイテムであなたや、お子さまが使用して肌に合わなかった、刺激があった経験があるものを選んでください。
▷あなた(母親)が肌に合わなかった、刺激があった経験がある(多い順ベスト5)
1位 化粧水
2位 乳液
3位 洗顔料
4位 シャンプー
5位 日焼け止め

▷お子さまが、肌に合わなかった、刺激があった経験がある(多い順ベスト5)
1位 シャンプー
2位 ボディーソープ
3位 ボディークリーム
4位 日焼け止め
5位 石鹸

日焼け止めによる「肌に合わない、または刺激経験」は、女性は5人に1人の割合(18.1%)、子どもは10人に1人(9.1%)の割合でいることがわかりました。

■日焼け止めを使う理由は?

日焼け止めを使う目的は、親子で違いはあるのでしょうか。それぞれが日焼け止めを使う理由を選んでいただきました。

▷あなた(母親)が日焼け止めを使う理由(3個までの複数回答)
 日焼けを防ぐため  73.7%
 将来のシミ・そばかすを防ぐため  68.1%
 将来のシワを防ぐため  36.1%
 日焼けによる赤みや発熱を防ぐため  33.5%
 日焼けによるかゆみや皮むけを防ぐため  23.8%
 皮膚がんなど将来の病気を防ぐため  18.7%
 日焼けの斑を防ぐため  15.7%
 日焼けによる体力の消耗を防ぐため  10.8%
 その他  12.3%

▷子どもが日焼け止めを使う理由(3個までの複数回答)
 日焼けを防ぐため  58.9%
 日焼けによる赤みや発熱を防ぐため  45.6%
 将来のシミ・そばかすを防ぐため  37.1%
 日焼けによるかゆみや皮むけを防ぐため  31.9%
 皮膚がんなど将来の病気を防ぐため  27.1% 
 将来のシワを防ぐため  20.8%
 日焼けによる体力の消耗を防ぐため  16.6%
 日焼けの斑を防ぐため  12.7%
 その他  19.8%

体力の消耗を防ぐための「日焼け止め」の認知は低い 

女性が使用する理由は、1位「日焼けを防ぐため」、2位「将来のシミ・そばかすを防ぐため」、3位「将来のシワを防ぐため」と続き、以前は「日焼け=シミ・そばかす」の一辺倒でしたが、3位に「シワを防ぐため」が入り、紫外線がシワの原因にもつながるという意識が浸透してきたことが伺えます。

子どもが日焼け止めを使用する理由を見ても、日焼けによる肌の炎症や将来の病気を防ぐため等の回答は多いものの、「日焼けによる体力の消耗を防ぐため」など、日常の健康を保つために使用するという意識はまだまだ低いことがわかりました。

***

日焼け止めを購入する際に、細かな成分まで理解して選んでいる方は少ないことがわかりました。商品のキャッチフレーズで安心してしまうこともあるのでは。肌が合わなかったなどのトラブルを経験した方は、それぞれの言葉の意味をきちんと知っておいた方が良いのかもしれません。

いよいよ夏本番。日焼け止めが体力の消耗を防ぐ役割があることがわかりましたが、必要なのは小さなお子様を持つ方だけではありませんね。外出の際には、水分補給はもちろん、帽子・日傘とともに、日焼け止めも併用し、この夏を健やかに乗り切りましょう。

調査方法:インターネット
・1次調査対象者:2,186名
調査期間:2021年6月8日~6月15日
・2次調査対象者:722名(日焼止めを使用している6歳以下の子どもを持つ女性)
調査期間:2021年6月17日~6月24日

 

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