新型コロナウィルスの感染拡大が始まってから2度目の冬を迎え、日々の生活にストレスを抱える人も増えているようです。独身の中高年の人たちは、コロナ禍で結婚・恋愛観に変化があったのでしょうか? そこで、株式会社ネクストレベルが運営する『マッチングアプリ大学』(https://jsbs2012.jp/)が独身の40〜50代男女計192人を対象にインターネットアンケート調査を行いました。
■7割の40・50代独身男女が、コロナ禍で「将来に不安」
まず新型コロナウイルスの感染拡大によって、これまでにどんな影響を受けたか尋ねました。もっとも多かったのが「外出する機会が減った」で18.7%で、次が「人と話す機会が減った」の20.0%です。
「収入が減少した」「生活が苦しくなった」などの金銭面の影響(33.3%)よりも、生活スタイルにかかわる影響(66.7%)の方が大きいということが分かりました。
「コロナによって将来に不安を感じるようになったか」尋ねたところ、7割を超える人がコロナ禍によって将来への不安を感じるようになったと回答しました。
現時点ではまだ仕事や家計に目立った影響が出ていない人でも、今後に対する不安は確実に増大しているようです。
不安を感じるようになったと答えた人には、何について不安を感じているのかも聞きましたが、「お金」や「仕事」を挙げる人が多くなっています。その他には、「健康」や「老後」に対して不安を感じている人も少なくありませんでした。
男性に関しては、次のような「今後の仕事」に対する強い不安や懸念が目立ちました。
現在は仕事をしていますが、いつ会社が倒産したり解雇されるかもしれない不安があります。(55歳/会社員/男性)
終電も早くなり、夜の店も開かなくなれば、経済は縮小してしまう。コロナが去る頃には、経済は縮小した状態になっているでしょう。すると、本当に今の事業をやっていけるのか、とても心配になります。(49歳/自営業/男性)
コロナ以降会社の業績が悪化し、給料が一部未払いになっています。このままでは相当ヤバいのではと不安に感じています。(48歳/会社員/男性)
女性はお金や仕事に関すること以外に、自分や家族が新型コロナウイルスに感染することへの不安も大きいようです。また、「1人でいることの不安」を挙げる人も多く見られました。
人との繋がりが激減し、精神的に孤独に陥り落ち込んでしまった。(53歳/公務員/女性)
将来どうなるのか、来年自分は生きているのかと、暗いニュースを見て自分に当てはめて不安になった。(40歳/パート/女性)
高齢の親と同居している。コロナに感染すると間違いなく重症化する年齢である事や、近い将来の介護の面などから親の健康面が一番の不安点。(48歳/会社員/女性)
■コロナ禍による40・50代独身男女の「結婚願望」の変化
コロナ禍により、将来への不安が増す中、結婚観や恋愛観などはどう変化したのでしょうか。
まずは、現在の結婚願望について聞きました。
「結婚願望ない」「どちらかというとない」は54.2%、「結婚願望ある」「どちらかというとある」が45.8%で、結婚願望ない派が少し多い結果になっています。
「結婚願望ない」「結婚願望がある」のそれぞれの理由についても聞いてみました。こちらは、最多だった「1人で生活するのが好き、快適と感じる」(29.8%)や、「結婚に縛られたくない、自由でいたい」(21.6%)など、自由を求める回答が多い傾向にありました。
ただその一方で、「精神的に余裕がない」(15.1%)、「金銭的に余裕がない」(13.8%)、「時間的に余裕がない」(5.5%)など、状況的に結婚できないという回答が41.7%と半数近くを占める結果となりました。
「結婚願望がある」の理由では、「精神的に支えてくれるパートナーが必要」が1位で27.4%、「老後の生活が寂しい、不安」(19.3%)「1人で生活しているのが寂しい、不安」(18.4%)と続きます。
不安の解消や精神的な拠り所を求め、結婚を希望する人が多いようです。
さらにコロナ禍によって結婚願望に変化があったかを聞きました。
その結果、「結婚願望なし」から「結婚願望あり」に変化したのが6.2%、「結婚願望あり」から「結婚願望なし」になったのが2.1%と、合わせて8.3%の方が結婚観に変化があったと回答しました。
では、結婚観が変化した理由を見てみましょう。
一番多かったのは「将来に不安を感じるようになった」(21.4%)という回答でした。
具体的にはどのような不安が結婚願望を変化させたのでしょうか。
孤独感がある。喜怒哀楽を共有できる人がいれば、寂しさも紛らわせることができると思う(40歳会社員男性)
1人の時間は必要だと思うし嫌いではないが、今年のように家にこもることが多くなると誰かに会いたいし、周りの結婚してる友人たちを羨ましく感じるので結婚したくなった(43歳会社員男性)
家族という単位をこんなにも感じたことはなく、不安に感じることが多すぎた(41歳無職女性)精神的に辛い時に支え合える人が欲しい(45歳会社員女性)
コロナ禍がきっかけで「結婚願望なし」から「結婚願望あり」へ気持ちが変化した人たちは、男女問わず、「孤独感」「寂しさ」が理由だったようです。万が一の不安から、一緒に支え合って生きていける人が欲しいと感じるようになったという回答が多く見られました。
逆に、コロナ禍がきっかけで「結婚願望あり」から「結婚願望なし」へ気持ちが変化したのは4人でした。うち3人が「結婚にはかなりお金がかかるから」(46歳会社員女性)など経済的な事情を挙げていました。
コロナにより家計が悪化したことで、結婚に消極的になるケースもあるようです。
■コロナ禍による40・50代独身男女の「恋愛観」の変化
次に40・50代独身男女192人のうち「恋人がいない」と答えた131人に対して、「恋人は欲しいと思う?」と尋ねてみました。
その結果、7割以上が「恋人がほしい」という回答でした。
恋人がいない人に、コロナ禍の前後で「恋人がほしい、ほしくない」の気持ちに変化があったかどうか聞きました。
恋人がいない人の87.0%は変化がないことに対し、13.0%は「変化があった」と回答しています。
「恋人ほしくない」から「ほしい」へ変化した理由はどんなものでしょうか。
コロナでテレワークに移行したので会話する機会が減少してしまったから(41歳会社員男性)
一人だと寂しいし、何かあったときに誰からも通報すらしてもらえなければ寂しい(45歳会社員男性)
結婚までには踏み切れないが、何かあった時に家族以外で頼れる、または繋がっている人が欲しいと思った(40歳会社員女性)
自分ひとりだとこれから先にどうやって時間を埋めていくか、考えなければならないと思った(45歳会社員女性)
恋愛観に関しても結婚願望と同じように、コロナによる「孤独感」や「寂しさ」が理由で「恋人がほしい」と感じるようになった人が大半でした。やはり精神的な拠り所や、不安や寂しさの解消を求める理由が多くなっていることが分かります。
逆に「恋人がほしい」から「ほしくない」へ気持ちが変化した人は1人で、その理由は「自分のことだけに集中できる。気持ちが楽(41歳会社員女性)」というものでした。
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ここまでコロナ禍における40・50代独身男女の意識の変化についてみてきました。今から10年前、東日本大震災が起きたときは「震災婚」「絆婚」が話題になりましたが、今回のコロナ禍でも「コロナ離婚」という言葉が生まれました。未曾有の事態、困難な状況になると心境の変化も大きく変わることがわかりますね。
【調査概要】
調査方法:インターネットアンケート
アンケート母数:計192名
実施日:2020年11月28日~12月03日