不動産を売却する場合、「買取」と「仲介」の2つの方法があります。

不動産売却において、8割近くの人は「仲介」を選びますが、「買取」には「早く売れる」「手間が少ない」など仲介にはないメリットがあります。

「そもそも不動産買取って何?」「不動産買取のメリット・デメリットは?」

そんな疑問を持っている方に向けて、この記事では不動産買取について分かりやすく解説します。

不動産買取の特徴をおさえ、あなたの状況にあった方法を探しましょう。

不動産買取とは何か

不動産売却の方法には、「買取」と「仲介」の2つの方法があります。

不動産買取とは、不動産買取業社が物件を直接買い取る方法です。

不動産会社の仲介による売却では買い主が個人になるのに対し、不動産買取では、買い主が不動産会社となります。売主は不動産会社と直接価格交渉をし、条件がまとまればすぐに契約に結ぶことができます。

不動産買取のメリット・デメリットや特徴を仲介と比較しながら見ていきましょう。

不動産買取のメリットは「早く」「手間なく」売れること

不動産売却のメリットは大きく3つあります。
(1)早く売却できる
(2)内覧対応が不要
(3)仲介手数料が不要 

(1)早く売却できる

不動産買取では、売却完了までおよそ1~2カ月で売却できます。

不動産会社と条件面に合意したら、すぐに契約を結ぶことができるためです。

一方、仲介では買い主を見つけて売買契約を結ぶまで3カ月から半年かかります。

上記の図からもわかる通り、買取のほうが手間もかかりません

(2)内覧対応が不要

 不動産買取では、内覧対応が不要です。

仲介の場合、内覧対応が行われますが思いのほか時間も手間もかかります。

平均的には、不動産を売却するまでに5~10組の内覧に対応することになります。

1回の内覧は1~2時間程度であるため、成約まで10時間も内覧対応に費やさなければならない計算です。

内覧対応をする必要がない点は、買取のメリットの一つと言えます。

(3)仲介手数料が不要

不動産買取では仲介手数料がかかりません。一方不動産仲介では売却価格の3~5%程度の手数料が発生します。

不動産買取と不動産売却では、不動産会社が利益を得る仕組みが異なります。

不動産買取では、不動産会社は物件の購入価格と販売価格の差分から利益を得ます。

仲介の場合、売り主の売却価格と買い主となる個人の購入金額は一緒です。不動産会社は仲介手数料から利益を得ます。

このような仕組みであるために、不動産買取では仲介手数料が発生しないのです。

不動産買取のデメリットは「売却価格が安い」

「早く売れる」「内覧対応が不要」「仲介手数料が不要」など、不動産売却には魅力的な点がいくつかあります。

しかし、すぐに「不動産買取をしてもらおう!」と飛びつくのは危険です。以下のデメリットに注意しましょう。

(1)売却価格の相場が低い

不動産買取1つ目の欠点は、買取額の相場が仲介で売却する価格の70%程度と低くなることです。

例えば、市場価値が3000万円の物件を不動産会社に買い取ってもらうと2100万円程度の価格にしかなりません。 

そのため、不動産を高く売りたい場合には不動産買取は不向きです。

(2)買取してもらえない不動産もある

どんな不動産でも買取してもらえるわけではありません。

買取業者は再販を前提に買い取るので「買い手が見つからない」不動産は買い取ってもらえません。

例えば、以下のような条件の不動産は買取してもらえない可能性が高いです。

  • 新耐震基準を満たしてない(1981年6月1日以前に建築確認を取得した物件)
  • 広さが40平方メートル以下
  • 過疎が進んでいる田舎の土地

迷ったら基本は仲介がおすすめ

ここまで不動産買取と仲介の違いについて見てきました。

ところで、「買取」と「仲介」のどちらを選ぶのが良いのでしょうか。

悩んでいる場合、基本的には「仲介」がおすすめです。

買取で売却する場合、相場より3割も安い価格で売却することになるからです。下のグラフを見てください。

矢野経済研究所とレインズマーケットインフォメーションのデータより作成。

2018年に成立した不動産取引の中で、買取再販の占める割合は17%に留まります。

つまり、ほとんどの人が「仲介」で不動産を売却しています。

そうはいっても、不動産買取がおすすめのケースもあります。以下のような場合です。

  • 安くていいから早く売却したい
  • 仲介で売れない
  • 売却のために大規模なリフォームが必要

買取向きのケース(1):早く売却したい

東日本レインズの2019年のデータによると、仲介で売り出してから売却にかかる期間は戸建て住宅で平均99日、マンションで81日かかっています。

一方買取の場合は、不動産会社との合意が取れ次第すぐに売却することが可能です。

なかなか不動産が売れず、やきもきする時間がない点は安心感にもつながります。

買取向きのケース(2):仲介で売れない

「仲介で不動産売却をしてみたけど、なかなか売れない…」という場合にも買取がおすすめです。

下のグラフは、株式会社Speeeが「売却にかかった期間」をアンケートした結果です。

売却に成功した1500人のユーザーのうち、半年以上かかった人は3割未満です。

そのうち、1年以上かかった人に至っては全体のたった6.4%です。

このデータを根拠に、売り出して半年以上で買取を選択肢に入れ、1年以上売れない場合は買取を行うことをおすすめします。

買取向きのケース(3):売却するために大規模なリフォームが必要

以下の様な物件を売却する場合、しばしば大規模なリフォームが必要になります。

  • 築30年以上の物件
  • 雨漏りしている
  • 給排水管等が破損している

仲介で売却する場合、リフォーム代は売主の負担となります。

一方買取では、買い取った後に不動産会社がリフォームを行います。

そのため、売主はリフォーム代を負担する必要がありません。

まとめ

この記事では不動産買取とは何かやメリット・デメリットについてみてきました。

不動産買取は売却価格が安くなる一方、急ぎで売却したい場合や、仲介でなかなか買い手が見つからないような場合に向いています。

不動産の状況に合わせて、買取を行うことも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?

提供元:https://sumai-step.com/column/article/2172/

 

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