結婚の挨拶の場で同居を勧められる
直子さんが今の旦那さまと出会ったのは30歳のとき。知人から紹介されたと言います。
「その頃は1社目の販売員を経て、美容関連のメーカーで販促ツールを制作する仕事をしていたんですが、同僚から紹介されたのが夫でした。当時は1年前に結婚前提で付き合っていたはずの男性と別れていて、夫は付き合うときに結婚前提でと言ってくれたので、付き合うことにしました。夫はIT関連の会社で制作の仕事をしていたので話があったんです。年齢も2つ上と近かったし。まぁ実家暮らしというところに多少は引っかかっていましたけど(苦笑)。結婚前提だったのに、結婚まで5年もかかったんですけどね」
付き合っている間に何度も義両親と食事に行くなど良好な関係を保っていたそう。義母から早く結婚しろと催促されたこともあったとか。
「実家暮らしで、夫は付き合ってしばらくしてから私の家に入り浸ったこともあってすぐに関係が義両親にバレてしまって。義両親とは付き合っている期間に日帰りですが旅行も一緒に行ったことがあります。義父は基本聞き役で、義母は出会った直後にバーッと自分のことは話して、それが終わると1人でマイペースに過ごすところがあって、長時間一緒に行動することも全然平気だったんですよ。だから結婚しても、同居しても平気だと思ったんですがね……」
結婚が決まった後の挨拶の場で同居を勧められ、考える時間もなく決まってしまったとのこと。
「結婚おめでとうと言われているときに、嫌そうな顔をすることもできず。最初はそうですね~とか言いながら話を流そうとしていたんですが、夫の部屋の隣にある物置となっている部屋をつなげるリフォームしようということまでその場で決まってしまって。最後は義母からの『これから夫婦でお金がいる機会もあるからここで暮らしてお金を貯めればいい』の一言が決め手となりました。
でも、最初は2部屋をつなげるだけのリフォームだったはずが他の部屋も、キッチンもバス・トイレもということになり、結局そのリフォーム費を家賃として一部負担していくことになったんです」
同居という空間では見えなかったものが見えてくる。マイペースな義母に合わせることが苦痛になり同居を解消。しかしリフォーム費の負担はそのまま。さらには義妹が出戻ってきて……。【その2に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。