新型コロナウイルスの影響でリモートワークという新しい働き方が浸透し始めた2020年。

会社へのアクセスを重視して都心のマンションを購入したものの、このままの状態が続くのであれば郊外の戸建てに引っ越したい……など、ライフスタイルの変化にあわせて住み替えを検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

でも、戸建てなんて大きな買い物。購入した後に「やっぱりあっちの家にしておけば良かった…」なんて後悔したくないですし、「これだ!」と思う家を見つけたいですよね。

かくいう筆者も戸建て購入経験者。今回は私の実体験も合わせて。家を購入した後悔したこと・良かったことをご紹介します。

1.家を購入して後悔したこと

私が家を購入したのは約10年前。夫と当時高校生と大学生の子供2人の4人家族。都内に3階建ての新築建売を購入しました。

やや予算オーバーでしたが、他に内覧した家と比較して良かったですし、その前に購入を検討していた家が早い者勝ちで売れてしまったこともあり、夫婦だけで内覧を1回した後に購入を決断。

しかし、今の家を購入して後悔してしまったこともありました。

・ご近所付き合いが大変

持ち家になって、町内会の仕事やご近所付き合いなどが大変になりました。

今まで、賃貸の時は町内会の仕事が回ってくることも無かったですし、ご近所さんも賃貸の方が多くてそんなに付き合いをしていなかったのですが…。

戸建てを住宅街に購入したこともあって、周りはみんな持ち家。この後何十年も暮らすとなると、ご近所さんとトラブルになるのは避けたいですし顔合わせる度に気まずい思いもしたくないので、ついつい良い顔しがちに。

結果、本当は参加したくない年末年始の餅つき大会に参加したり、毎月の清掃に参加することになりました。賃貸だったら、ご近所さんとトラブルになっても引っ越しすればいいだけで気楽だったな~と思います。

・住宅ローンは重荷

払えないというわけではないんですが、住宅ローンが重荷。

賃貸の時はボーナスも好きに使っていましたが、今では使えるのは一部だけ。ローンの返済と家が壊れた際の修繕費の積み立てに持っていかれてしまいます。

家を買う前は家族でどこか旅行に行こうとかという話が出ていたんですが、家を買ってからそんな話題もほとんど出なくなりました。

今思えば、やや予算オーバーを許容してしまったのが間違いでした。ローン返済だけなら賃貸に住んでいた頃の賃料とあまり変わらないのですが、持ち家には固定資産税の支払いが付いてきます。

固定資産税を合わせると年間の支払額は数十万円増えているので、もう少し返済額を少なくしておけば良かったと思いました。

・簡単に引っ越しできない

家を購入してしまったら気軽に引っ越すことはできません。

住宅ローンはまだ残っていますし、今住んでいる家を売るか貸すかしなくてはならず、賃貸から賃貸へ引っ越すほど手軽にはできません。

もし夫が転勤になったとしても、数年程度なら単身赴任かなと思っています。また、嫌なことがあっても簡単に離れることができないと思うと、ご近所さんはもちろん、近くのお店でちょっと嫌なことがあっても我慢します。

毎日思うことはありませんが、たまにこんな我慢せずにパッと引っ越しできたらな…と思うことがあります。

・居間の空調が効きづらい

我が家の居間は2階。階段を上がってすぐ居間です。居間を広く取るために廊下はなく、扉もないので空調が効きづらい。

温かい空気は上の階へ冷たい空気は下の階へ逃げてしまうので、真冬や真夏は空調をガンガンに効かせます。もちろんその分電気代の請求もアップ 。

スクリーンを数万円かけて業者に取り付けてもらい、少しはマシになりましたが、階段を利用する度に腰を曲げてスクリーンを上げ下ろしするのは不便。

スクリーンは布で取り外し不可。洗濯できないので、揚げ物などをした際は油の匂いが付いてしまうのではないかと不安になります。

・ゴミの収集日

新しい家の燃えるゴミの収集日は水曜日と土曜日。我が家は共働きで平日忙しく働いているので土曜日ぐらいゆっくり寝たい!なのに、回収車が来るのは朝8時ごろ。

前夜から出すのはNGなので、疲れていても早起きしなくてはなりません。さらに、1か月続くゴミ当番になった月はゴミネットの上げ下ろしなども。雨の日も帰りが遅い日も担当ならやらなくてはならず、マンションだったら…と思う瞬間です。

ゴミの収集日や当番制度は自分では変えられないので、事前に確認しておけば良かった…と後悔しています。

2.後悔しないために気を付けるポイントは

家という高い買い物をして後悔しないためには何に気をつければ良いのでしょうか。

国土交通省が公開している「令和元年度 住宅市場動向調査」を見てみると、最も多い選択理由が分かります。

今回は既に建物が出来上がっている分譲住宅を選んだ人にアンケートした理由になります。結果は戸建て、マンションいずれも間取り・部屋数が適当が1位という結果に。次いで住宅の広さが十分という結果になりました。

【注意点1】生活をシュミレーションする
前段で家の間取りや部屋数などを重視する方が多くいることが分かりました。家の間取りや広さで失敗しないためにはシュミレーションを行うと良いでしょう。

家の間取りや部屋数、住宅の広さで後悔してしまうとしたら、以下のようなことが考えられます。

・子供が大きくなって部屋を分けてあげたい
・思った以上に収納が少なかった
・生活してみたら、使いづらいキッチンだった

このような失敗を防ぐためには10年後の生活をイメージしてみたり、実際に住むと決まった時にはどこに今ある家具を置くのか、どの部屋をどのように使うのか内覧時にシミュレーションしてみましょう。

単純に部屋数だけを見て考えてしまうと、子供が大きくなった際に部屋が狭くなり足りなくなるということもありますが、子供が成長した10年後をイメージすることで、子供部屋がもう1つ必要になるのか否か検討することができます。

もし、不確定要素が多すぎてイメージが難しいという場合は、必要な部屋数+1部屋と考えてみるのも手でしょう。1部屋余裕があれば、将来どのような家族構成になっても対応できますし、収納が少なくて困る可能性も低くなるはずです。

【注意点2】候補地は絞る
購入する家を探す際には候補地をある程度絞るようにしましょう。

物件の価格が安くなるからと、職場や学校から遠く離れた場所の家を購入するのはおすすめできません。通勤・通学は毎日の生活に関わることですし、あまり都市部からアクセスが悪い土地を選んでしまうと、万が一家を売却する際には時間や手間がかかってしまう恐れがあります。

住み替えを行った方々の平均通勤時間の変化を見てみましょう。長くなることはあっても10分以上になることはありません。

多くの方が生活圏を大幅に変えて通勤時間が長くならないよう配慮した結果なのかもしれません。

【注意点3】近くに空き地があるか確認する
近くに大きな空き地がある場合は、建設予定の建物を聞いてみましょう。畑や大きな空き地の場合はマンションなど建設予定かもしれません。その場合は自分が購入したあとに、大きなマンションが建って日当たりや喧騒などが変わってきます。

物件を購入する際には現在の状況を見るのではなく、未来までを見据えないとあとで後悔してしまう日がくるかもしれません。もし聞いてもわからない場合は、念のため避けたほうがよいでしょう。都心で特に空き地の場合は、マンションが建つ可能性が高いのです。

3.購入してしまったが後悔……対処法は?

どんなに気をつけていても家に住んでみないと分からないこともあり、後悔してしまうことはあります。もし、購入した家に後悔してしまったら、対処法は2つ。貸すか売るかです。

3.1 家を貸す

家を資産として持っておきたい、住宅ローンを完済するのが難しいといった場合は賃貸物件にするという方法があります。

子供達に伸び伸びと生活させてあげたい、転勤の間も戸建てに住みたいといった理由で需要はあり、戸建てを賃貸物件にすることは可能です。

毎月の住宅ローン返済額や固定資産税を12ヶ月で割った金額などの維持費を賃料でまかなうことができれば、家の維持費を払わず家を持ち続けることができます。

ただし、家に人が住むことで傷や汚れなどが付きますし、借主によっては禁止しても隠れてタバコを吸ったりペットを飼ってしまうというトラブルも。また、人が借りていない間は家賃収入がゼロとなり家の維持費は自己資金から出さなくてはならなくなるので、注意が必要です。

3.2 家を売る

また家を購入したい、住宅ローンを返済したいという場合は家を売却してしまいましょう。

住宅ローンは原則組めるのは1本まで。同時期に2本組むのは難しいので、再度家を購入して住み替えを行いたいという場合は売却となります。

売却の場合住宅ローンは一括返済となるので、売却額を利用し場合によっては自己資金で足りない額を補い返済となるでしょう。

買って後悔した家が売れるの?と思うかもしれませんが、家の住み心地の良さは人それぞれ。売主にとって住みづらい家でも買主にとっては住みやすい家ということはよくあります。周辺地域の開発が進んでいるなど立地によっては購入時より高く売れる場合もあるでしょう。

ただし、不動産は購入時より高く売れた場合譲渡所得税が発生します。所有期間が5年未満の場合は税率が高くなるので、売却のタイミングは注意しましょう。

購入した家を貸すべきか売るべきか判断する際に重要になるのは、住宅ローンが完済できるかでしょう。住宅ローンが完済できるか否かは家の売却額に左右されます。

まずは家がいくらで売れるのか、不動産会社に査定してもらうと良いでしょう。家の市場相場を調べるなら不動産会社の査定が最も近く分かりやすいです。

4.自分にとって「譲れないポイント」を明確に

購入した当初は満足していても、家族が増えたり、もしくは子どもが独り立ちしたりと家族構成が変われば心地よい住環境も変わるのです。

一生住み続けたいと思えるような家に出会えるに越したことはないですが、はじめての戸建て購入で100%満足できる人は多くありません。

住み替え前に多くの人が後悔しているポイントを知っておくことで、自分にとって譲れないことは何か?を明確にできれば、より理想的な家探しができるのではないでしょうか。

引用元記事:https://ieul.jp/column/articles/204/

 

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