価格が細かく変動する不動産。マンションの購入を検討する際、どの物件を購入するのか悩むのと同じくらい「今買っていいのか?」「今後価格が下がることはないのか」と悩む方は多いと思います。

そこで、今回は2020年最新(※)のマンション価格の推移と今年の状況を解説します。

2020年のように未曾有の自体が起こることもあるため、未来の価格を予想することは難しいですが、過去の推移を見て今後を予測してみてはいかがでしょうか。

※2020年10月現在

1.【2020年】マンション価格の推移

2020年マンション価格の推移はどうなっているのでしょうか。国土交通省が発表する年間約30万件の不動産の取引価格をもとに不動産価格の動向を指数化した「不動産価格指数」の推移を見てみましょう。

(国土交通省「不動産価格指数(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000085.html)」より引用)

令和2年6月のデータを見ると、住宅の価格指数は0.9%減となりました。これは前年の同月と比べ1.1%ほど減っており、2020年は2019年と比べると全体的に見ても価格が落ちていると言えます。

マンション価格指数は2013年より右肩上がりの推移を示しています。しかし、5月に155.5あったのに対し、6月の段階で151.5となり、2.3%のマイナスの結果に。前年の同月と比べると大きく上昇していますが、それでも2020年3月と同じ指数となり、下落傾向であることが分かります。

2.マンション価格にコロナの影響はあるのか

今年の都道府県地価調査では3年ぶりに下落となりました。

都道府県地価調査とは毎年7月1日時点の地価を各都道府県知事が調べ9月下旬に発表しているもの。今回は新型コロナウイルスの感染拡大後の地価発表とあって注目されていました。

結果は全国平均が3年ぶりに下落となり、特に商業地より住宅地の下落幅が大きくなる結果となりました。

(国土交通省「都道府県地価調査(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000044.html)」より引用)

宮古島や東京23区など一部地域は上昇していますが、それでも前年と比較すると上昇率は縮小。新型コロナウィルスの影響で経済の先行きが不透明な今、住宅購入の需要も減ったのではないかと考えられます。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済の変化は地価にも影響を与えましたが、その影響は暴落ほどではないようです。

都道府県地価調査が発表されるまでは、コロナ後の地価が分からず「暴落しているのでは?」という声が聞かれることもありましたが、今回の公表では、下落の幅を見ると暴落といえるほどの落ち具合は見られませんでした。

今回-2%と最も下落幅が大きかった岐阜県でも、東日本大震災があった平成23年度当時の下落幅は-3%。当時以上に地価が落ちることはありませんでした。

東日本大震災の時は沖縄県を除くすべての都道府県が下落しましたが、新型コロナウイルスの場合は宮城県や東京都・福岡県といった一部の県では上がり幅は縮小したものの、昨年度と変わらず上昇しています。

県庁所在地単位で見れば、上昇している地域はさらに多く、暴落したといえるほどではない結果が出ました。

3.今後マンション価格の推移は上がる?下がる?

今後のマンション価格の推移がどのように変化するのか、正確には分かりません。

しかし、今後“暴落”というほど大きく価格下落することはないのではないか予想されています。国土交通省は今回の地価調査に対し、「新型コロナウイルスによる先行き不透明感のある中で立ち止まった状態」とみています。

住宅地は今回下落となっていますが、商業地や工業地は東京圏や大阪圏などでは、平均変動率は8年連続で上昇していますし、上昇幅の縮小は見られても需給バランスの変化は見られていません。

社会活動も新しい形で元に戻りつつあり、このまま下落し続けると言うのは難しいでしょう。

4.2020年マンションは買い時か

今年マンションは買っても問題ないといえるでしょう。

地域や実際に売却しているマンションにもより異なりますが、都道府県地価調査では土地の価格は下がっています。大幅値下げは期待できませんが、地価の分、価格も調整されているかもしれません。

新型コロナウイルスにより先行きが不透明ではありますが、先程解説した通りマンションの価格が大幅に下がる可能性は低いので、来年まで待った方が安くなるという可能性は低いです。

それよりも、欲しいと思った物件が成約できるかどうかです。2013年からの価格上昇により高級物件となってしまった新築マンション。都市部などでマンションの購入を検討されている多くの方は中古マンションも検討されていると思います。

しかし、東日本不動産流通機構の最新データ(2020年10月現在)である8月度マーケットデータを見ると、中古マンションの在庫件数は前年比のマイナス11.3%となり前月比でも3.7%減少している状態。

在庫が減っているにも関わらず、首都圏における中古マンションの成約件数は前年同月比よりプラス18.2%と多くの人が中古マンションを購入している結果となりました。

つまり、中古マンションの競争が激化している可能性が高いということ。来年の地価下落を期待し、購入を先延ばしにしているうちに他の人に買われてしまうということが考えられるので、良いと思った物件に出会った際は購入を本格的に検討することをおすすめします。

ただし、予算以上の物件の場合はよく検討を。マンションを購入した際には住宅ローンの支払いの他に維持費も必要です。管理費や修繕費積立金の維持費を気にしても固定資産税が発生することを忘れてしまっている人は少なくありません。

予算以上の住宅ローンと固定資産税の支払いで家計を予想以上に圧迫してしまい、生活が苦しくなることもあります。先行き不安な時期だからこそ、住宅ローンだけでなく月々の出費を考えたマンション選びを行いましょう。

5.まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大という今までにない世の中の流れで今後マンションの価格はどうなるのか気になる方も多いと思います。

しかし、この後不動産価格がどのように変化するのか明確に知るのは難しい状態。現状を細かく観察していくのが最善かもしれません。

今後住み替えを検討しているのなら、まずは現在住んでいる住宅の価格を知っておくのも重要です。住宅の価格を知ることで、次に住むマンションの購入資金の計画を立てられたり、今住み替えるべきか否か判断しやすくなります。

引用元記事: イエウール https://ieul.jp/column/articles/209/

 

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