コロナ禍のおうち時間の増加によって、部屋着への注目も変化してきました。そうした生活の変化は、「いままでの常識が大きく変わる」ことを意味する“ニューノーマル”な時代を表していると言えます。社会の変化によって新しい常態となった、ニューノーマル時代において、部屋着は具体的にどう変わったのでしょうか? そこで株式会社ユニクロが、在宅勤務経験が1か月以上ある400名の男女を対象に「ニューノーマル時代の部屋着に関する調査」を実施しました。部屋着のあるあるや専門家の解説まで、ニューノーマル時代の部屋着について幅広くご紹介していきます。

■「おうち時間=部屋着時間」増加! 55%が部屋着で過ごす時間が増加

まずは、コロナ禍における部屋着事情を見ていきましょう。調査の結果、おうち時間の増加と共に、「部屋着で過ごす時間が増加している」ことが分かりました。また、「こまめに部屋着の洗濯をするようになった」「部屋着の種類が増えた」という回答も比較的多く、部屋着で過ごす時間の増加に伴い、洗濯回数や部屋着の種類の増加など、部屋着への意識の高まりと、生活の変化がみられる結果となりました。

■感染予防対策として約2人に1人が「帰宅後すぐに着替えるようになった」

在宅時に、部屋着を着用する理由について聞いてみると、圧倒的第1位は「着替えることでリラックスしたい」という回答でした。76%もの人が部屋着を着ることでリラックスしていると感じているようです。また他の理由としては「気持ちや気分を切り替えたい」というコメントもありました。多くの人が、リラックスモードへの切り替えアイテムとして、部屋着に着替えているようです。

また、「コロナ感染予防対策として、外から帰ってきてすぐに着替えるようになったか」についても調査したところ、約2人に1人は「はい」と回答。「家にウイルスを持ち込みたくない」「感染が怖い」といった意見もあり、衛生面を気にして部屋着に早く着替えていることも分かりました。

■部屋着の失敗あるある 第1位は「宅配便が来た時にひどい服装で出てしまった」こと

リラックスした部屋着で過ごす時間が増えたことで経験した失敗などについても調査しました。すると、約3人に1人が「宅配便が来た時にひどい服装で出てしまった」など、見た目に関する失敗談が多いことが分かりました。次に多かったのが、「部屋着の時の急な来客に焦った」という経験でした。また、「着古した部屋着を見られて恥ずかしかった」という声も寄せられました。ニューノーマル時代は、リラックスできるのはもちろんですが、急な来客やテレワークにも対応できる、清潔感やおしゃれさ、トレンド感のある部屋着が必要なのかもしれません。

■専門家に聞く「ニューノーマル時代の部屋着」について

最後に、衣服の快適性と機能性の専門家・文化学園大学 服装学部・大学院生活環境学研究科 教授 佐藤真理子先生が語る、この時代の部屋着についての分析をご紹介していきます。

▶「リラックスするだけだった部屋着に、他者の視線にも耐えうる外観と質の良さが求められるようになった」

日本では“内と外”を分けて考える意識が強く、昭和のはじめには、仕事から帰ってきたらまず和服に着替えるなど、社会的役割を示す外着を脱ぎ、解放されてくつろぐ、といった習慣がありました。和服が洋服に代わってからも、これまでの部屋着は、誰の目も気にせず、ただくつろぐ、ごろごろする、といった際に着るという位置づけでした。しかし、コロナ禍に伴うテレワークの普及、宅配の多用等により、他者の視線が家の中にも入ってくるようになりました。調査結果の失敗例からも、これからの部屋着には、楽に着られることはもちろん、だらしなく見えない、デザイン性やトレンド性、質の良さが求められると考えられます。

▶「外出着から部屋着に着替えることは、身体を清潔に保ち、気分転換やモードチェンジの役割を持つ」

衣服には、外環境における様々な汚れから身を守り、また、皮膚由来の汗や皮脂、汚れを吸収するという役割があります。身体を清潔に保つのに、着替えは重要です。また、着替えには“生活リズムを整える”、“気分転換”、“オンオフの切り替え”等の効果もあります。部屋着の着用理由として「リラックス」が圧倒的に多いことからも、多くの方がリラックスモードのスイッチとして、部屋着を有効に活用されていると考えられます。

▶「ニューノーマル時代の部屋着は、多機能とデザイン性で選ばれる」

おうち時間が増えたことで、自分の身体をより意識するようになり、心地よくストレスの少ない環境づくりに関心が向いています。部屋着に求める性能も、肌触りや温熱的快適性はもちろんのこと、洗えて手入れが簡単、動きやすい、ストレッチ性に優れるなど、多機能に変化しています。特に、仕事や家事、ヨガ、筋トレなど、自宅で行う活動の種類が増え、様々な動きに対応できる素材・デザインが必要とされます。在宅勤務の場合、ローテーブルで床に座って仕事をする方も多く、椅子の場合より、お腹まわりにゆとりのある部屋着を選ぶと良いですね。

文化学園大学 服装学部・大学院生活環境学研究科 教授
佐藤 真理子先生
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間環境学専攻博士課程修了。博士(学術)。放送大学・千葉大学ほか非常勤講師等を経て現職。専門は衣服の快適性と機能性。著書に『被服学事典』(分担執筆/朝倉書店)、『衣服の百科事典』(分担執筆/丸善出版)など。

 ***

いかがだったでしょうか? これからは、寒さからますます“おうち時間”が増える時期です。見た目も機能も備わったニューノーマルな部屋着を用意すれば、急な来客にも慌てずに、快適な部屋着生活が過ごせそうですね。

【調査概要】              
調査方法:インターネット調査 
調査期間:2020年9月25日~9月27日    
調査対象:20~50代男女 400名 ※在宅勤務経験が1ヶ月以上ある方

 

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