結婚願望がないままに、タイミングで結婚
大学に進学後に不動産の営業職に就き、1年後には都内で一人暮らしを始めます。20代は仕事に忙しく、結婚願望も無くなっていったそう。
「仕事は賃貸営業で5年働いてから、売買の仕事に転職したんですが、仕事は忙しいものの楽しくて20代は本当に仕事しかしていません。男性とお付き合いしたこともあったし、20代で友人の結婚式に何度も参加しましたが、結婚願望は年々弱くなっていった気がします。実家から離れて一人暮らしを始めたんですが、1人はすごい楽で。服や食器を片づけなくても誰からも怒られることもないし、他の人の行動を気にする必要もない。当時はこのままずっと1人でいいんじゃないかとさえ思っていました」
それでも千枝さんは33歳の時に結婚します。結婚の決め手になったのは親友の結婚とタイミングだと言います。
「ずっと一緒に遊んでいた学生時代からの親友が結婚して、私も卒業してからその親友きっかけで再会した大学の友人と付き合っていたんです。親友の結婚は、もう旅行には誘えないこと、一緒に遅くまで飲みにいけないことなど想像以上に寂しくて。結婚はそのタイミングでプロポーズされたからです。嬉しかったというよりも、断る理由がなかったんですよね。母親に散々言われていた、『結婚はよく考えてから』をまったく実行できていなかったことを今さらながら後悔しています」
付き合っている時のすれ違いが結婚してからは許されない。子どものこと、そして仕事のことを義母を通して説得してくる夫と一緒にいる意味を見失っていき……。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。