取材・文/前川亜紀
今、レトロなガラスアイテムが人気を集めています。戦前に流通した駄菓子のニッキ水の瓶、砂糖菓子の容器である『ペロペロ』、キューピーなどの形をした金平糖容器、家庭で使われていた『あめや瓶』など様々なガラス容器が注目されています。
そこで、駄菓子容器をはじめとする、レトログッズのコレクションで知られる入山喜良さんのコレクションルームを取材しました。
※コレクションルームの全容はその1で紹介しています。
1973年(昭和48年)ごろから45年以上かけて収集した貴重なコレクションの中から、今、ブームとなっている和ガラス見せていただきました。

入山喜良さん。明治から昭和初期にかけてのガラス瓶、ブリキのおもちゃ、時計、ランプ、ガラス瓶、駄菓子屋物など一万点以上所有。
●マニア垂涎の『ペロペロ』は市場に出回らない希少品
今、市場にほとんど出回らないほど人気が出ているのが、『ペロペロ』
「これは、大正時代から昭和20年ごろにかけて作られたものです。駄菓子屋売られており半固形状の水あめがはいっていました。食べた後は、ままごと道具として遊ぶ子供が多かったようです」(入山さん・以下「」内同)
ペロペロは捨てられることが前提。だから、今はほとんど残っていないのです。

ペロペロは詳しい文献がほぼ残されておらず、当時を知る人に話を聞くしか調査方法はないという。左奥にあるオレンジ色のものは、ガラスのこま。これも今はとても人気が高い。
「戦前に日本のガラス製品や食器が輸出されていました。特に、海外向けに作られた、ままごとセットは模様や、繊細な彩色が魅力です。30年ほど前までは、日本各地の骨董市で売られていましたが、今は人気のためにめったにお目にかかれません」

美しいガラス製のままごとセットは、ガラス特有のはかない質感も魅力。当時は緩衝材がないために、麻紐で固定されている。輸出用に作られており、ハイカラなデザインが特徴的。箱のサイズは縦26cm×24cm。
●1本数万円の値段が付く、ニッキ水の瓶
大正時代から戦前まで、駄菓子屋で売られていたニッキ水。ひょうたんや一升瓶を模したデザインが多いですが、入山さんが持っている特徴的なデザインのものを見せていただきました。
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