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側近に退陣を勧められ、娘には責められる。孤独な権力者道長が詠んだあの歌は本当に「絶頂を詠んだ歌」なの？【光る君へ満喫リポート】44

2024/11/17

ライターＩ（以下Ｉ）：三条天皇（演・木村達成）への退位圧力が全方位になってきました。本当に朝廷の権力闘争は、有無を言わせないというか、恐ろしいというか半端ないですね。三条天皇もおとなしく道長（演・柄本佑）の「お飾り」に徹していれば、このように早期に退位を迫られることはなかったのではないでしょうか。

編集者Ａ（以下Ａ）：いや、道長にとって自分の目の黒いうちに、孫である敦成親王（演・橋本偉成）を即位させることが最優先事項。そのために、本来の定石である敦康親王（演・片岡千之助）を排除してまで、なりふりかまわず敦成親王を東宮（皇太子）に据えたわけですから。

Ｉ：ところが三条天皇も娘の禔子内親王と道長嫡男頼通（演・渡邊圭祐）との縁組を画策し、一筋縄ではいきません。三条天皇にしてみれば、道長と縁続きになることによって、敦明親王（演・阿佐辰美）を次期東宮にしたいという思惑もあったのでしょう。ところが劇中では、頼通が正妻隆姫女王（演・田中日奈子）に気兼ねしたのか、その縁談を拒絶します。

Ａ：劇中では仮病をつかって拒否する様が描かれました。『栄花物語』などでは、頼通が具平（ともひら）親王の怨霊に悩まされたという記述もあるくらいですから、頼通はこの縁組が本当にいやだったのでしょう。

Ｉ：話が前後しますが、『栄花物語』の話題が出たので言及します。道長正妻の源倫子（演・黒木華）がまずは藤式部（まひろ／演・吉高由里子）に対して、道長の物語を書いてほしいとお願いしていました。『栄花物語』の構想が発表された瞬間でした。

Ａ：『栄花物語』は歴史物語として単純に面白いです。歴史の上では赤染衛門（演・凰稀かなめ）が著したのではないかと言われていますが、ドラマでは、どうでしょう。藤式部は倫子にまだ回答していませんね。

Ｉ：さて、話を頼通の縁談に戻しますが、道長正妻源倫子から「心は隆姫、おつとめは内親王様でよろしいではないの」と、どの口がいう的な台詞が飛び出しました。「私は愛されていなかった」と言いながら、「ふふふ、ふふふ」と道長を追い込んだだけのことはありますね。

Ａ：源倫子の父源雅信（演・益岡徹）は第59代宇多天皇の孫ですから、倫子は宇多天皇のひ孫になります。その家から「帝が出た」と喜んだ藤原穆子（演・石野真子）。ナレーションの通り、幸せな一生だったことでしょう。