字画も少なく、しょっちゅう⽬にする簡単な漢字。読めそうなのに、いざ声に出して読もうとすると、正しく読めるかどうか心配になって、思わず声を細めてしまう漢字ってありませんか? サライ世代ともなりますと、いったん思い込み認知をしておりますと、なかなかイニシャライズ(初期化)が難しいですよね。
簡単な漢字であっても、脳トレ漢字の記事を読みながら確認学習をしていただくことで、思い込み認知をイニシャライズできる機会になると思います。
「脳トレ漢字」第187回目は、「黒子」をご紹介します。「くろこ」と読んでしまいそうになりますが、ほかにも読み方があります。実際に読み書きなどをしていただき、漢字への造詣を深めてみてください。
「黒子」とは何とよむ?
「黒子」の読み方をご存知でしょうか? 「くろこ」という読み方もありますが……
正解は……
「ほくろ」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「皮膚にみられる黒褐色の斑で、母斑の一。周囲より隆起し、アズキ大までのものをいう。」と説明されています。チャームポイントとして扱われることが多い、「黒子」。皮膚の全ての部位にでき、先天性のものから後天性のものまで種類は様々です。
後天性の黒子は、主に太陽からの紫外線により、メラニン色素が作られることで発生します。また、摩擦などの外部からの刺激や生活習慣の乱れから、発生することもあるそうです。黒子が気になる場合は、皮膚科か形成外科で相談するのがおすすめです。
「黒子」の漢字の由来は?
黒色の色素斑のことを指す「黒子」。漢字も、ほくろの特徴に由来すると考えられます。また、古代では黒子のことを「ははくろ」と呼び、母親の胎内にいる時についたものであると考えられていたそうです。
つけぼくろの歴史
目元や口元にあると、チャームポイントとして扱われることが多い黒子。今から300年から500年ほど前のフランスでも、黒子は魅力的だと考えられていました。上流階級の人々は、肌をより白くみせるため、わざと黒いパッチ(つけぼくろ)を顔に貼り付けていたそうです。
元々、パッチは歯痛止めの膏薬や、天然痘などによる感染症でできた後遺症を隠すために使われていましたが、いつしかおしゃれアイテムの一つになっていったのです。つけぼくろは老若男女問わず大流行し、円形や星形、馬車を模した形まで、様々なパッチが作られるようになりました。
また、パッチを貼る位置によって意味付けがされることもあったそうです。
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いかがでしたか? 今回の「黒子」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 現在でも、ほくろを書き足す化粧法はありますが、当時の人々も同じように楽しんでいたことが分かりました。
黒子は、顔を綺麗に彩ることができると考えられていたのかもしれません。
文/とよだまほ(京都メディアライン)
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