テクノロジーが発展した今の時代、最新技術は若者たちだけのものではなく、シニア層にとっても自立と安心を支えてくれるものとなっています。特に健康の面で有意義なことが多いはずです。
今回は、テクノロジーの恩恵を享受する様々な工夫をご紹介します。
米国カリフォルニア州立大学・心理学部教授のケネス・S・シュルツ氏監修の『リタイアの心理学 定年の後をしあわせに生きる』(日経ナショナル ジオグラフィック社)を参考にお伝えしていきましょう。
シニアを支える5つの最新機器アイデア
自宅に一人でいるときも安心して暮らしたいもの。そのようなシニア層を助けてくれる優れた機器が作られています。一人暮らしの不安の解消や持病によってケアする夫婦を縛りつけないために活用できますね。
自分に何が必要がわからない人は機械に強い友人、家族、情報のある医療関係者に話を聞くのが早いでしょう。
ここでは5つの最新機器を紹介します。
【テレヘルルス】
英国保健省が数千人を対象に、健康監視システム「テレヘルス」と警報システム「テレケア」を導入した成果に関する調査では、死亡率が45%低下し、緊急入院件数が20%減少、救命救急センターの来訪者が15%減少したことがわかっています。
テレヘルスは遠隔医療と言われていますが、自宅で何かあったとき助けを求められる、センサーを備えた装置です。テレヘルスのセンサーは血圧、酸素飽和度、体重の変化を監視。心臓疾患、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患、てんかんといった慢性疾患の患者に便利。
【転倒アラーム 】
無線を使った旧式システムは自宅でしか使えないものが多かったのですが、いまはスマホに転倒センサーと通報システムを入れておくだけ。スマホさえ持てばどこにでも行くことができます。スマホを使わない人でも腕時計型のものもあり、転倒すると家族に伝わる仕組みのものもあり便利になっています。
【ロボット型掃除機】
普及が進んでいるロボット型掃除機。主婦だけでなく関節が思うように動かない人にとっても頼もしい機器。
【服薬お知らせアプリ】
「うっかり飲み忘れ」は一人で生活する人にとってはよくある事態。数日服薬を忘れたために危険な状態になることもあるので、しっかり防いでいきましょう。飲み忘れを防ぐためのアプリが電子メールやアラーム音で服薬時間を知らせてくれます。
【GPS搭載シューズ 】
アルツハイマー症患者は徘徊して道に迷ったりしやすいので、GPS は取り入れられています。GPS 搭載シューズは自動で位置を通知し、誤差10mの精度で居場所を追跡できます。見守る家族にもありがたいもの。
認知症だけでなく、少人数で登山やひと気のない山間を旅するなど遠出の際の安全策としても有用です。
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万一倒れた時でも発見が早ければ早いほど、回復の早さに影響してきます。
自分のことは自分でできるけれども、慢性疾患が悪化する恐れがあるという人にも、こういったテクノロジーは生活の質を高めてくれるものとなるでしょう。
【参考文献】
『リタイアの心理学 定年の後をしあわせに生きる』
(S・シュルツ監修、藤井留美 訳、日経ナショナル ジオグラフィック社)
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/product/16/010500050/
文/庄司真紀