時間は誰にでも平等に流れますが、体や心が衰えていく人もいれば、エネルギッシュで元気なまま過ごす人もいます。そこにはどんな差があるのでしょうか。

高齢化医療の第一人者で精神科医でもある和田秀樹先生によると「老化は“感情”から始まります。何の対策も取らないでいれば、体・脳機能を維持できなくなっていきます」とのこと。そこで、元気な高齢者として人生を謳歌するための様々なヒントを和田先生の著書『あなたの寿命を決める70歳からの選択』(宝島社)よりご紹介。今回は、介護サービスの種類について解説します。

せっかくなら最後に「いい人生だった」と思えるような生き方をしたいもの。ここに紹介したヒントを活用してよりよい幸せを手に入れてみませんか。

監修/和田秀樹

いざというときのために知っておきたいサービス

介護サービスには、「在宅介護」に対応するものと「施設入所」の大きく2種類があります。

在宅介護に対応するものには、家に訪問してもらって受ける「訪問系」、日帰りで施設などに行って受ける「通所系」、短期間だけ施設に宿泊して受ける「短期入所系」などがあります。

訪問系の例でいえば、ホームヘルパーによる身の回りの介護や生活援助を受ける「訪問介護」、看護師・保健師などから療養上の介護や診療の補助を受ける「訪問看護」などがあります。

通所系には、「通所リハビリテーション(デイケア)」「通所介護(デイサービス)」があります。施設に行って食事や入浴、リハビリや機能訓練、レクリエーションといった介護サービスを受けるというものです。

デイケアとデイサービスの最大の違いは、デイケアは医療施設で行う介護サービスで、医師が常駐していること。リハビリと体調管理が主な目的で、リハビリには主治医の指示が必要となります。一方のデイサービスは福祉施設で
行うもので、医師は常駐せず、内容も施設によってさまざまな特色があります。

そして、利用者の体調管理(昼夜逆転の修正など)に有効で、介護者の負担を軽くする介護サービスに「短期入所生活介護(福祉施設)」「短期入所療養介護(医療系施設)」があります。短期間だけ介護施設に宿泊するもので、連続30日まで利用できます。また、実際に入所して利用する「介護施設」もさまざまです(下図参照)。費用の面では公的施設の「特別養護老人ホーム(特養)」が理想的ですが、人気が高く、都市部では入居が数年待ちになる施設もあります。

* * *

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和田秀樹(わだ・ひでき)
1960年、大阪府生まれ。精神科医。ルネクリニック東京院院長。東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て現職。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。著書に『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』『ぼけの壁』(ともに幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)など多数。

 

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