疲れを取る、血圧を下げる、肥満解消など、さまざまな健康効果が知られている伝統の調味料「酢」。酢を使った料理といえば、昔ながらの酢のものや寿司、酢豚などが真っ先に頭に思い浮かびますが、昨今では、特有の酸味を苦手とする人でも飲みやすいよう果物の果汁を加えた「飲む酢」なども人気です。
酢には殺菌作用もあるので、まな板の除菌などにも昔から酢が用いられてきました。まな板の表面を酢でしめらせて一時間ほど置き、あとは水で洗い流してよく乾かせば除菌完了です。
また、弁当用にご飯を炊く際も、米3合にお猪口1杯程度の割合で酢を加えれば、ご飯がいたみにくくなります。加える酢は少量なので、酢飯のように酸味がつくこともありません。
そのほか、釘を打つ際に先端に酢を塗布しておくと抜けにくくなる、花瓶に草花を活ける際、切り口に酢をつけると水揚げがよくなる、酢を加えた水で衣類の仕上げ洗いをすると色落ちしにくくなる、といった生活の知恵も伝えられてきました。
このように、日本人の暮らしに欠かせない酢を使った、簡単で美味しい「自家製ピクルス」の作り方を紹介します。ピクルスとは、調味料や香辛料を酢に加えて作った調味液に野菜を漬ける、西洋の漬け物。
コツは酢飯に使われる「すし酢」を使うこと。すし酢には昆布のだしや砂糖、塩といった調味料があらかじめ加えられているので、「調味液を調合する」という面倒な手間を省くことができます。このすし酢に野菜(生で食べられるもの)を漬け込むだけで、美味なるピクルスができあがるのです。
密閉できる保存袋などに好みの野菜を食べやすい大きさに切って入れたら、野菜がしっかりひたるまですし酢を注いで封をしてください。冷蔵庫に1日置けば、食べ頃となります。