ワインを長期保存していると、コルク栓の影響によって品質の劣化や目減りといった現象が発生することがある。しかしこれらは、なかなか気がつきにくいもの。そこで推奨されるのが「リコルク」という作業である。
要は劣化したコルク栓を打ち直すことだが、栓の交換にとどまらず、同時にワインの状態チェックや充填といったメンテナンスも行われる。さながらヴィンテージワインの健康診断、といったところだ。
ただし、高度な技術や信頼性が求められる作業であるゆえ、基本的にはシャトーやセラーに持ち込んでの作業となり、なかなか実施するチャンスの少ない作業でもある。
もともとはシャトー・ラフィット・ロートシルトが顧客のために古いボトルの栓を入れ替える慣習からヒントを得てスタートさせたものだが、このリコルクによるワインの健康管理チェックサービスを積極的に行っているのが、オーストラリア最高峰のワインメーカー「ペンフォールズ」(輸入販売元:サッポロビール)だ。
同社によれば、このサービスを導入した1991年以来、26年間に15万本以上もの自社ワインの診察を実施してきたとのこと。世界の高級ワインメーカーの中でも、これだけの規模で実施しているところはないという。
この「リコルク」を受けられる同社のイベント「リコルキング・クリニック」が、初めて東京で開催されることになった。「ペンフォールズ」の15年以上のヴィンテージを有する赤ワインのみが対象となるが、来日するチーフ・ワインメーカーのピーター・ゲイゴ氏が一本一本の品質を丁寧に診断し、必要に応じて抜栓、試飲、ワインの充填、カプセルの交換をその場で行ってくれる。
アフターサービスの一環として、無償で受けられるのもうれしい。
ペンフォールズ「リコルキング・クリニック」
開催日 | 2017年7月28日(金) |
場所 | 「アンダーズ東京」(東京・虎ノ門) |
問い合わせ先メールアドレス | info.japan@tweglobal.com (『リコルキング・クリニック』事務局) |
なおこの「リコルキング・クリニック」は完全予約制のため、事前予約が必要となる。予約申込みは以下より。
https://www.penfolds.com/en-jp/wine-advice/recorking-clinic-registration
所有ワインのヘルスチェックだけでなく、170年以上にわたる「ペンフォールズ」のワイン造りの歴史や生産者のワイン造りに対する思いに触れる絶好の機会ともなる。自宅のセラーに「ペンフォールズ」の赤が眠っているという方は、参加を検討してはいかがだろうか。
文/編集部