
湯の表情を整える鉄製茶釜
繁華街の喧騒から離れた路地にある炭火焼きと出汁の店。店主の小松山龍辰さんは大学時代、ある焼酎蔵の熱意に感銘を受けて以来、毎年焼酎造りの手伝いをしている。卒業後は看護師として働いていたが、宮崎の焼酎への思いが募り、「飲食店は“また来てください”と気持ちよくいえる仕事。自分の人生を、焼酎と接客に捧げたい」と決意して飲食業に転身。自身の店を6年前に開業した。


カウンターで目を引くのは鉄製の茶釜。釜で沸かした湯はまろやかで焼酎を割ると、「香りがふくらみ、味のエッジがやわらぐ。焼酎の個性が開きます」と小松山さん。定番の「数の子とクリームチーズ」には宮崎の松露酒造の古酒『黒麦』をぬるめのお湯割りで。冷たい料理とのバランスを考えての温度設定だ。続き、「都萬牛のミスジ炭焼き」に、バーボンカスク熟成の芋焼酎とミズナラ樽貯蔵の麦焼酎をブレンドした、宮崎の柳田酒造『pentatonic DELFIN』を少々熱めで。香ばしい肉の香りと脂の甘みが樽由来の香りとよく合う。添えた自家製醤油麹がコクを深め、さらにお湯割りが進む。

國酒 松
住所:宮崎市橘通東3-4-9 第一ワタナベビル2階
電話番号:0985・23・9392
営業時間:15時~23時(最終注文は22時30分)
定休日:日曜・月曜
交通アクセス:JR日豊本線宮崎駅より徒歩約12分
取材・文/山﨑真由子 撮影/松隈直樹
※『サライ』2026年8月号より












